異世界生活は魔王と共に
海原 鯨
序章
この物語はただ与えられた役割から逃れようとする役者たちの物語だ。しかし、そんな言い方をしては、きっと多くの人が彼らを誤解してしまうだろう。
なにも彼らは役者として失格というわけではない。ただ物語の中であろうと彼らは彼らとして道を選んだというだけだ。
物語を運命と呼ぶのなら、運命に沿ったすべての生命を物語の役者と呼ぶだろうか。
それとも、物語のシナリオを外れることすら運命だと呼ばれてしまうのだろうか。
結局の話、それを判断するのは物語の外、読み手の話であって、彼らの話ではないのだろう。
だからこの物語は与えられた役割の中、もがく人々の話だ。
それを前提にしてしまうと、今度は彼らが物語から結局のところ逃れられなかったことを示しているような気もするね。
だったらこの物語のことは、もっと抽象的に語るべきかもしれない。
これは“誰か”の物語だ。
――プロローグ、あるいは前書き
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