せんそうⅡ

火を焚いた。

炭をやれば半永久的に燃えるその火の向こう

作為的に緑を枯らす

悪き火を見た。


灰となった緑は

種を持つことはないみたい。


あぁ、

それでも民は必死に種を守りて。

次の緑を守りて。


差し伸べた色の違う手は

焼き払われた


ただただ陸の孤島を築き上げるように。

箱に入った火の島を――


もう緑も愛も失った。

泣くことさえも忘れて

灰の国がひとつ、できた。

からになった国が――


鳩はこう告げた。

「あぁ、独裁者は手ひとつ汚さずに。」

羽はいずれ白旗に。

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