幽体離脱
笑いの輪の中で
「友達」同士の輪の中で
ふと、外側から見てみた
笑ってる笑ってる
みんな楽しそうに
でも
偽ってる偽ってる
みんな心の底で
つま先がみんなこっちを向いてない
目線がみんな右上を向いてる
両手がみんな明るみに出てない
瞳の奥の奥、
みんなが写していたのは
「自分」だけだった
聞こえちゃったの
本当に本当に楽しそうに
私を罵る声が
見えちゃったの
ほんの一瞬の間に見せた
嫌悪の瞳が
ふと気付いたよ
全部気付いたよ
既に気付いてたよ
これは違うって
私は違うって
私は、
パズルのピースではなかったから
ジェンガの一部ではなかったから
そっと抜けてみた
変わらないな、何ひとつ
あぁ、嫌だな
「友情」の状態変化
だんだん気体になってゆく
私だけ気体になってゆく
「友達」の飽和状態
いくら頑張っても結晶になる
新入りより先に結晶になる
逝きつく先は硝子
紙とペンとスマホと、
それから硝子
部屋の中で静かに消えた
あぁ、透明は “ 混じらない ” から美しいんだ。
かくして硝子になりし14の夏に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます