第26話 1日ぶりの夕食を楽しむ

 アルフレッドが部屋を去った後、私は食事をする部屋へ向かい、皆が集まり次第すぐに夕食が始まった。


 「おお、目覚めたとは聞いていたが食事の時に出てこれてよかったの。

 ワシが会議に向かっている間にこんな事が起こるなんて思ってもいなかったぞ。」


 「ええ、とても心配したのよ…

 もう大丈夫なの?レンちゃん。」


 食事が始まると同時に私への質問が始まる。

 まあ、いきなり倒れて1日も眠っていたなら心配もするよね。


 「はい。もう大丈夫です。

 ご心配をおかけしてごめんなさい。」


 「いや、元気なら何よりじゃ。

 詳しいことは明日ミシェルに聞いたほうが良かろう。

 体調が悪くないようなら今回の王族会議で決まったことを伝えようと思うのだが…」


 ヴァルレットが周りを見渡し、皆が軽く頷くのを確認すると話を始める。


 「では、今話そう。

 今回の話し合いはレンちゃんのような異世界人のことだが、来年から1年生として学院に通ってもらうことになるので、了承しておいて欲しい。


 それと、他の国にも異世界人が現れたようだ。なので、アリシティアとアルフレッドには他の国の動向を探ってもらいたい。」


 学校…学校かぁ。あんまり乗り気になれないな。

 それと、重要な情報は他の国に私と同じ異世界人がいるということだ。

 おんなじ世界から来た日本人だといいんだけど。まあその人達も学校に1年生として入学することになるなら会うことになるよね。


 私が一人で今の報告について考えていると、ヴァルレットがまた言葉を重ねてくる。


 「それと、今ゲルノルド王国に留学に行っているが3日後に帰っくる。皆、準備しておくように。

 まあ報告はこんなところじゃな。」


 ちょっと、報告はこんなもんってゲルノルド王国って何?リリアーナって誰?

 私への説明が足りないんじゃない?


 …という言葉は心の中にしまっておいて、自室に戻った後にリジに聞こう。

 今は笑顔で食事をしなければ。


 ………


 夕食も終わり、自室に戻った後すぐにリジに聞くとこにした。


 「リジ、夕食の時に言っていたその、なんとか王国ってどこ?」


 私がそう質問すると呆れたような顔をしたリジがはぁとため息をつきながら教えてくれる。


 「ゲルノルド王国ですよ。

 火の男神の加護を授かっている国です。」


 「では、リリアーナって方は誰ですか?」


 私が次に聞いた質問に、リジは驚きに目を見開いていたが、また優しく教えてくれる。


 「リリアーナ様はアルフレッド様の妹君でレン様の義妹ですよ。

 現在はゲルノルド王国へ留学に行っております。」


 あっ、そう言えばそんなような話聞いたことあるかも。

 アルフレッドには妹がいるみたいな…


 でも、そっか!私に妹か~

 一人っ子でお姉ちゃんとか妹とか欲しかったんだよね。

 うふふんっ。


 私はリジの教えてくれた感謝を述べつつ就寝準備を整える。

 妹が来るのは3日後。さっさと寝てはやく来い!

 そんな気持ちで眠りについた。


 ………


 その夜。私は夢を見た。

 大きな原っぱで他の女の子達と追いかけっこをする夢だ。


 他の女の子達のことを私はどこかで見た気がするが、見たことがない。

 この光景を何処かで体験したような気がするが体験したことがない。

 とても不思議な光景だった。


 だけど、その夢の中はとても暖かくて夢の中なのに他の子達と一緒に原っぱで眠ってしまった。

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