第15話 報告会を楽しむ
リジに叱られたあと、朝食へと向かった。
私が席に着くと程なくして、アルフレッドが入ってきた。
「おはよう、レン。今日は少し早いんだね。」
「おはようございます。アルフレッド様。
す、少し早く起きてしまって。」
ハハハと、話を誤魔化す。
アルフレッドに朝のことがバレたらきっとリジにまた怒られる。
私がなにか他の話題を探していると、丁度良いタイミングで王族夫妻が入ってきた。
「おはよう、二人共。早いのぉ。」
「おはようございます。」
「おはようございます。父上、母上。」
皆が揃ったら朝食だ。
とは言ってもそこまで美味しいものではないが…
食事の時間は家族での団欒の時間で、今日はアリシティア様が話を切り出し、昨日あまり話せなかった私のギルド登録の話になった。
「昨日はあまり話せなかったけどレンちゃんはジョブを何にしたのかしら?」
「えっと、私のステータスが結構低くて、その中でも魔力が高かったらしいので魔道士にしました。」
「そう…魔力が高かったのね。
それなら適性魔法は何なのかしら?
どんな魔法を使うの?」
なぜかアリシティア様が興味深そうに聞いてくる。
私がギルド登録することに反対していたのにそこまで興味があるのだろうか?
でも、聞かれたことにはしっかりと答えなければ。
「え~と…適性魔法は全属性でした。」
「全属性だと!」
私の言葉にいち早く反応したのはヴァルレット様。アルフレッドの父親だった。
「ゴホンッ、すまない少し取り乱してしまった。
全属性に適性があるなど起こるものなのか?」
「いえ、アンドリューさんもミシェルさんもすごく珍しいと仰ってました。
ミシェルさんは私に興味があるということで今度魔法の訓練をしてくださるとお約束いたしました。」
「…そう。彼は今この国で一番力を持っている魔法使いよ。
たくさん学んできなさい。」
彼?誰のことだろう?
「さぁ、そろそろレンちゃんの採寸のために職人さんがいらっしゃるから、準備を始めましょう。」
朝食の団欒の時間はお開きとなり、私は付き人のリジと共に採寸のために客室へと向かうことになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます