第6話 スキルを楽しむ

 「あのっ『異世界人世界を超えし者』って何ですか?」


 確か私の『ユニークスキル』って言ってたよね…

 私だけの特有の能力?召喚者だけの?

 もしかして異世界無双系きた?


 「それが、ワシにも詳しくはわからないんじゃ。

 そのスキルの保有者にも出会ったことは無いからのう。

 そもそも、そのスキル自体幻のスキルで実際にこの目で見れるとは思ってもいなかったからの…」


 ……"ワシ"?さっきまで"私"って言ってなかった?


 「父上。いつもの口調に戻っていますよ…」


 「しょうがないじゃろ?周りを気にしなくていい状況だと出ちゃうんじゃよ…」


 おっ、突然の"おじいちゃん言葉"。

 怖い人だと思ってたけど、優しそうな人で良かった。

 今思えば昨日からたまに出てたかも。


 「でも今はレンもいるし…」


 「いえ、私は別に気にしませんよ。」


 そっちのほうが緊張しないし…


 「本当かっ!レンちゃんはいい子じゃの~」


 「コホンッ

 話を続けて下さいな?」


 おお、奥さんの咳払いで王様縮こまっちゃったよ。

 やっぱりどこの世界でも"母は強し"ってね。

 尊敬するよ。


 「そっ…そうだったな。確か『ユニークスキル』の話じゃった。

 そなたの持っているその『異世界人』というスキルは、過去の文献に名前は載っているのだが…

 その能力がいまいち理解できなくての。」


 過去の文献に載ってる?

 なら、私の前にも召喚された人がいるって事?


 「過去の文献によると、そのスキルの発動条件は『元いた世界から別の世界に転移すること』で、

 能力は『転移した世界の相手に自分が異世界人だと伝わる』というものなのだ。」


 え?それって…どういう…


 「今、実際に体験してその能力のことについてわかったよ。レン。

 "自分は異世界人です"

 何て言われても信じる気にはなれないけど、君のステータス表を見たときには簡単に信じてしまったんだ。

 きっとこれがこのスキルの力何だよ。」


 え?何そのスキル?

 相手に異世界人だと伝えられる?

 そんなスキルって初めて聞いた…


 「あの、それだけなんですか?」


 「ああ。それだけじゃ。」


 「……」


 「でも、まだそれだけとはわからないよ?

 全部のステータスを見たわけでは無いし…

 それに、『異世界人』スキルだってレアだから…それだけでもすごいよ!」


 アルフレッド様のフォローが逆に辛い…


 「そ…そうですね。ハハハ…」


 「そうじゃ!ステータスじゃよ。

 冒険者になるならギルドに行ってステータスを調べんとな。」


 そうだよ!冒険者!


 「ステータスを調べぬ事には何もわからんからの。」


 そうそう。いい事言うじゃん。


 「では、明日の朝にギルドへ向かいましょう。

 今日はもう遅いからね?」

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