生きるのが面倒になった俺は何が起こっても知らない
@oraganbaru
プロローグ
さて、君達は神様の存在は信じた事はあるのだろうか?
信じている方には悪いが、俺は一度もない。
何故かって?
俺は皆よりこの世の仕組みが分かるからだ。
つまり、生の世界の反対にある死後の世界。
まあ、そもそもの話、目で見えない存在など信じる事はしないが、、、。
しかし、それを抜きにしても生きてる傍ら俺には乗り越えられない山があり過ぎた。
家庭の問題や身に覚えのない罪を被せられたりそして、、、最終的には裏切り。
勘違いをしないでくれ。
別に同情を求めている訳でもない。
優しい言葉をかけて貰いたい訳でもない。
ただ、そう、ただ俺はもうこの世から存在を無かった事にしたい。
あの世に逝けばリセットされるのだろうか?
また別の形で生まれて来たら解決するのだろうか?
結論、そんな事はない。
未練が残っている状態で息を引き取ってしまうと成仏が出来ないと噂をされているが、未練があるからまた命を授かって生まれてくるのだ。
そう、生きている皆は記憶にはないが未練というものを脳に刻まれている状態で生きている。
逆に未練さえ無ければ、、、。
内向的な性格である俺は、ずっと同じまま生きてきた。
人はそう根本的に変わらない。
何回も生き死にを繰り返していく内にそう思うようになってきた。
最初の2、3回は環境や意志などでどうにかなると思っていたのだが、今は惰性で生きている。
残念ながら、俺は皆とは違い記憶がリセットされる事なく維持した状態のまま、また別の形で生まれてくるのだ。
はぁーいい加減に疲れる。
どうにかしてくれ。
諦めが付き、もう慣れてはいるが、、、。
俺は自分が通っている学校の屋上から景色を眺めていた。
現在は、放課後。
部活に勤しむ者、帰宅部で遊びに行く者、習い事など自己研鑽に励む者それぞれだった。
そして、俺の掌に書かれてあるのは'馬鹿'だの
'消えろ'などの油性ペンで書かれた落書きであった。
何の為に生きるのか?
何を為すのか?
そんな事を考えるのはもうやめた。
今になっては馬鹿馬鹿しくて仕方ない。
'さて、もう一度別の人間として生まれてきますか'
'人生は一度きり'という言葉が存在しない俺には軽々しくその思いを吐く事が出来る。
正直また、生まれてくるのも面倒くさいし、このまま闇にでも葬ってくれないだろうか?
心の中で嘲笑いながら手すりへと手を掛けた俺はゆっくりと羽ばたいた。
別の人間として生まれない事を願って、、、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
少しでも面白いと思っていただけたら幸いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます