第23話 新・4人組誕生
部活の申請に行く予定であった当日、ちょっとした事件が起きた。
隣のクラスに転校生がやってきたという。それだけなら特に驚くような事はない。ここは学校だ。出て行く人もいれば来る人もいる。家庭の事情に左右される学生ならなおさらだ。ただ、今回は来た人間が問題だった。いや、人間ではないな。
転校生は「死神の
先日の『いないもの』扱いがよほど堪えたらしい。まさかの実体化、学園生活への乱入だった。学園内では『
「『おにいちゃん』よろしく頼むぞ! 」と教室に挨拶に来た時は、話を合わせるだけで苦労した。
外見は死神時代と変わらない。サイドに編み込みをした髪型に、頑張っても中学生にしか見えない体型。いつも肩の上に乗っている姿をそのまま大きくしたようだった。初対面の時もこの姿なので、これが
なので、佐藤芳佳は直ぐに状況を理解し歓迎モードになった。一方で、市井さんを始めとする他の面々は非常に驚いたようで、僕は嵐のような質問攻めにあってしまった。
適当に言ってごまかしたが、話のどこかに矛盾があるのは間違いない。
ともかく、これで我が『遊び部』こと『地域調査部』は6人での活動が決まった。
これも運命なのか、市井さんは『ひまわりでいず』と同様『女の子4人組』で行動する事になる。正確には僕とアルファがいるので6人組ではあるが。
『
――――この『世界』は本来の姿を取り戻したがっているんじゃないか――――。
いや、それは考えすぎだろう。とりあえず今日は部の申請という重大なミッションをクリアしなくてはならない。今日はアルファも一緒だ。
分かるぞアルファよ、山田先生の体のラインを堪能したいのだろう?あの、年中無休の巨大な果実を鑑賞したいのだろう?しかも今は夏だ。ブラウスの第一ボタンは開けなくてはいけない!スカートは短くなくてはいけない!おやおや、布切れが薄くなっておるわ!ハァーハッハッハッハッ。
アルファめ、お主も悪よのう……。
しまった。取り乱してしまった、いけない、いけない。先生をそんな目で見てはいけない。
落ち着け。ふう………………。
まだか!放課後はまだか!
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