元の木阿弥

健さん

第1話

今年のゴールデンウイークは、観光地ではコロナ前以上の人出となっている。飛行機も電車も、120%の乗車率だ。よって、観光地では久しぶりの盛況ぶりに、笑いが止まらないであろう。今年は特に日にちの並びがよく、最大で9連休が、取れる。まあ取れない人もいるだろうが、それでも、ほとんどで、3日から、7日までの5連休だ。高速道路も、久々の渋滞映像を、テレビで見ることになる。政府は水際対策も緩和して外国人も多く日本に渡航しているようだ。もう、日本各地津々浦々完全に”日常”に戻った感がある。ここは、江の島。私は、T〇Sラジオのレポーターの長嶋貞治と申します。現在タコせんべいで有名な旭屋さんに来ておりますが、もう参道は、人、人、人で埋め尽くされております。身動きが取れない状態です。実際行ったことはないが、よく映画で観るようなアメリカのコーン畑の中にいるようです。ここで、何かパニックになったら、韓国で、事件があったような将棋倒しみたいになってしまう恐怖感があります。この人の波をかき分けて、何とか、店の中に入りました。「こんにちは。T〇Sラジオの長嶋です。ちょっと、お話よろしいでしょうか?」力士の小錦に似ている店長さんだ。「はい。」「去年と比べて売り上げの方は、どうですか?」と、答えが、明らかにわかる愚問だ。「そうですね。もうコロナ前よりも、おかげさまで売れています。もう人手が足りなくて猫の手も借りたいぐらいですよ!」店内を、見まわすと、4匹の猫がいるのに、、、、、。そして、場所を変えまして、現在箱根の湯本駅前の商店街に来ています。寄せ木細工のお土産屋さんに聞いてみましょう。50代くらいの女性経営者?に聞く。「凄い人ですね!」「いやあ、久しぶりの凄い人で、嬉しい限りですよ。3年間は、”パッタリ”だったのが、”正常”になって、これで、やっと、って感じですね。」しかし、江の島もそうだったが、湯本駅前も人の往来を観察していると、ほとんどの人が、マスクを着用していない感じだ。率的に言えば、着用している人は、2,30%だ。10人に、2,3人。とりあえずは、”自己責任”になったからなあ。しかし、”沈静化”している感じだが、東京の感染者昨日だと、2100人出ているが、こんな感じだと、ゴールデンウイーク明けの来週何だか怖い感じが、するのだが、また爆発的に感染者が増えて、パンデミックが起きないか心配ではあるが、、、、。今度は、場所を移しましてここは、東京の某所。今日は、7日の日曜日ゴールデンウイークの最終日です。驚きなのは、ここ、東京は、ほとんどの人が、マスクをしてませんね。箱根、江の島では、”多少”していたのは、見受けられましたがまあ、10人に1人の割合だな。まあ、暑いしな。どうして東京にいるかと、言えば番組の方に1通のお便りが届きまして、その内容と言うのがこの街の某マンションに住む住人が、なんと、3年以上ずっと、マスクを外さないでいるというのです。このお便りをくれた人は、このマンションの管理人さんです。その管理人さんに早速聞いてみようと思います。「管理人さん、お便りありがとうございました。早速、本人に会って聞いてみようと、思いますが、お便りに書いてあった3年以上もマスクを外さず部屋の中にいるときでも、一切外さないとの事ですが、一緒に、生活してるわけではないのに、どうしてわかるのですか?」ハゲで小太りの60代の管理人が、自慢気に言う。「外で、会ってもつけているし、いつなんどき部屋の方に、伺っても付けています。本人に聞いたところ、部屋の中でもつけてるし、あの人お医者さんなんですよ。職場も病院だから、46時中マスクは、つけてるし、逆にもう今更外すのが怖いと、言ってました。」「食事の時は、外すのですかね?」「さあ?そこまで、細かい所は、わからないですね。」「ありがとうございました。」早速、本人に聞いてみたいと思います。507号室の部屋の前に来ました。”ピンポ~~ン”すると、待ってましたとばかりに、すぐ出てきました。「こんにちは!T〇Sラジオの長嶋です。管理人さんからお便りいただきまして、少しお話よろしいでしょうか?」40代くらい?の田村正和に似た感じのその医者は、言った。「どうぞ、どうぞ、何でも聞いてください。」っていうか、種あかしすると、もう事前に打ち合わせ済です。「早速ですが、どうして、マスクを外さず生活しているのですか?」「”それは、秘密です”」なんか、懐かしい響きだな。昔、日テレで、名物番組として、やってたな。よく、見ていたっけ。あっと、脱線してしまった。「そう、おっしゃらず、教えてください。部屋の中でもつけっぱなしでいて、食事とかは、どうしているのですか?」すると、その医者は、じらしながら言った。「”タダ”では教えられませんよ。」「何がお望みですか?」「とりあえず、もうマスクは、生活必需品なので、1年分ください。」「わかりました。約束いたします。」すると、その医者は、言った。「テレビじゃないのが、残念ですね。どうせなら、全国の方に見てもらいたかった。」と、言って、マスクを外して見せた。ええええええ!!!何ですか!?私は、あまりにも、驚きうろたえてしまった。「なんて説明するべきか!”おちょぼ口?とでもいうのか、口?が3㎝ぐらいじゃないですか?これでは、食事もできませんね。」すると、”田村正和先生”は、マスクをつけてから言った。「3年間ずっと、マスクをしたままにしていたら、口が、“退化”してしまいました。だから、息をすいたり、吐いたり、また話す事しか、この口は機能していません。」「それならば、食事は、どのようにして摂っているのですか?」「食事は、3回注射で、栄養剤を注入しています。」そして、”田村先生”は、最後に、予言ともとれることを、言って締めくくった。「これからも、コロナは、収束することはなく、また、いずれ、パンデミックが、起きて感染者が、増え続け、また少し減ったと、思ったら、また増えての繰り返しになるでしょう。」「ありがとうございました。」そして、今日は、あれから2日後の5月9日。本日の東京のコロナ感染者ついに、2万人を、超えてしまいました。そして、第9波の幕が、開けた。元の木阿弥だ。

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