<38>なかまはずれ
ちっとも面白くないんだよ
誰か一人が言った
ずっと一人で訳わからないこと言うし
もう一人が言った
「合わないから」
なかまはずれ
「一緒にいたくないから」
なかまはずれ
その人の涙を
分かる人は誰もいない
咲いた色違いの花のように
それは場違いでただ哀しい
思わず憐れんでしまうような
涙色に染まっている
そうだ、色水につけよう
袋の中の色水につけて
自分自身の色を変えれば
「自分」はもう
一人じゃない
違うんだよ
誰かが言った
微妙に違うんだよ
声が反響していく
違う違う違う違う
僕と君は全然違う
一緒じゃなきゃ
仲間には入れてもらえないんだよ
魂の形でさえ同じでないと
同じところにいてはいけないらしい
うるさい程に
全てが僕を否定する
神までもが
僕を否定する
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