ハッピーエンドルート
第21話
そのときだった。
「オリヴィアさんっ!!」
王宮の庭に、声が響いた。その瞬間、パッと光が差した気がした。
オリヴィアは顔を上げる。青々とした空に目を向け、声の主を探した。
浮かんでいたのは、レイルだった。隣にはソフィアもいる。
「レイルくん……? ソフィアさん……?」
「オリヴィアさん!」
レイルはソフィアと共に降りてくると、真っ先にオリヴィアの元へ駆けよった。
その勢いのまま、レイルはオリヴィアを強く抱き締める。
苦しいくらいに強い力だった。レイルの匂いがふわりと鼻を突き抜けた。その途端、ずっと張っていた心の糸が、プツッと切れた。
「うっ……」
一度堰を切った涙は留まることを知らず、ぽろぽろと次から次へ零れていく。オリヴィアはレイルにしがみつくように抱き着いた。
「レイルくんっ……レイルくん」
「良かった……ごめんね、オリヴィアさん……迎えに来るのが遅くなって。もう大丈夫だからね」
レイルは、小さく震えるオリヴィアの背中を優しくさすり続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。