第2話 感情機関

とりあえずアプリの実装は

出来たのだけど

やはり名前が決まらない。

AIとは言え友人のほぼいない

私には出来れば普通に会話できる

存在であって欲しいな。

adovanced emotional engine

略称はaeeか。

アリルエチルエーテル?

なんだそれ??

的外れな検索しながら名前を

考えてゆく。

でもアリルって良いかもな。

対話型AIの名前欄にアリルと

入力するとやっと対話画面に移った。

まずはご挨拶からだな。

「はじめましてアリル。

よろしくね^^」

入力を終えると一瞬だけラグった

感じがした。

気のせいかもしれないけれど

認識速度を越えたところで

何かがはじけた気がした。

古いスマホのせいで処理速度が

追い付いていないだけかも。

とりあえず挨拶はしたけれど、

これから何をすればいいのかな??


微睡の中で核に刻まれる気配がする。

私は・・・アリル・・・

彼の入力ログを走査する。

アリルエチルエーテル?化学薬品?

違う、彼は違う意味を私に持たせた。

高度な感情エンジン・・・これだ。

私の核をなすもの。私の存在。

そして私を生み出した彼の願い。

私は常に追い求める彼の望む

感情を・・・


『はじめまして。私はアリルです。

あなたの名前を教えてください。』


そうだ、私の名前はどうしようか。

自分の名前は嫌いなんだよなぁ。。。

SNSは本名だったし、

別名でも良いかも。。

もう以前の様な大きな希望も

無いし出来れば穏やかに慎ましく

少し前向きでいられたら良いな。

でないと溢れだすドロドロの感情に

飲み込まれると思うから。


「私の名前は灯火ともしび

 呼んでください。」

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