バグっただけなので

だらく@らくだ

バグ(とんでもねえ)

その日、高校から帰宅して俺は急いで届いた荷物を開けた


荷物は二つ、一つはVRに使うとかの機械でもう一つは


「VR対応型カメラ……へへ、これで俺も有名配信者かなぁ」


この世界ではVRのワールドにカメラを持ち込める事が日常だ。ネットでは毎日の様にVR

の実況配信が投稿されているし、芸能人なんかもVRに挑戦したりもしてる


今回俺が配信するVRはえっと……箱に

書いてあるタイトルは"雑魚は死ね"

か。安かったからこれにしたんだけどちょっと難しそうだな。ま、いっかどうにかなるっしょ


俺は箱から一つの球体を取り出して、握った

これでVRに参加出来るらしい。ホントかよ


……


気付いたら、体が真っ黒になっていた。

空間も変だ、明らかに俺の部屋じゃない


"名前を決めて下さい"


ん?声か。もしかしてこれがユーザー登録って事?んじゃね名前


輝雄てるおで!」


"承知しました。輝雄様ですね。次に年齢を

教えて下さい"


年齢は……そうね、実年齢でいっか


「16歳!20**年産まれ!」


"わかったよ!きみはこのせかいにきてから

ちょうど10年なんだね!"


は?な、何言ってんの!?俺このゲーム初めてやるんだけど


"さいごにぶきをせんたくしてね!がいこくの

ぶきとにほんのぶきがえらべるよ!"


ん、舐めてんのかコイツ?つまり外国の剣か

日本の武器って事だろ。なぜひらがな


「洋剣で……」


"はい、これであなたはゲームのじゅうにんになれたよ!でもこのゲームすっごーいむずかしいけどだいじょうぶかな?"


" はい いいえ"


マジか……選ぶゲーム間違えた。ま、ここまで来たらもう諦めよう


「はい!!」


"それじゃあないておもらししないようにね

〜"



そうして目が覚めたら草原で寝転んでいた。

見た事も無い鳥が視界の先でぐるぐる飛んでいる。本当にVR世界に来たのか


さて、まずは何をすべきかな


俺は身体をひょいと起こしてみた。何かが

可笑しい、身体が軽すぎる。足を空に伸ばしてみる。短い、あまりにもだ

いや、足だけじゃ無い手も短すぎる


立って歩くと、足取りが覚束無い。頭が重い


腰に手をやると、何か冷たい物が触れた。どうやらこれがさっき選択した武器とやららしい


多分それ以外にも鎧を俺は装備している気がする。だって明らかに一歩ずつにかかる負担が……かなり…


何とか歩いて、辿り着いた川に映った顔を見て俺は衝撃を受けた、そこには何と明らかに

小学生しかも低学年の男が映っていた


なんつーこった、俺は年齢選択で16を選んだ筈がバグって10歳になってしまったらしい。

10歳と言えばまだ小学生である、しかもつい

この間まで幼稚園に通っていた様な年齢だ。

ふざけんな、そんな子供が剣で戦えるか!

こんなゲームは今日限りでおさらば


ん?待てよ


この姿でもしレアモンスターとか倒したら

めっちゃ目立つよな……それが配信とかされたら


俺、有名になれるかも!!


決めた!この姿で強くなってやる!どーせ

あれでしょ?実はすごいスキルとかある感じだし


らんらら〜ん♪


この時、俺は丘から俺の事を観察していた一人の男に気づかなかった。もちろんその男を

師匠と呼ぶ事になるのも

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