いつもの場所で

鷹巳

0 future 未来


「結婚おめでとう!夏菜ちゃん。ドレス姿本当に綺麗だね。」

「ありがとう。」

友達からの祝福。それに対して、高校生の時と変わらない表情で、夏菜は友達へ感謝を伝える。


僕もそう思う。今日の夏菜は本当に綺麗だ。

君と出会って、僕は高校生活だけでなく、今までの人生を頑張ることができた。

高校生の頃は、辛いこともあったし、失敗もあった。

でも、振り返れば、一つ一つに意味があったと思える。

そして、僕は、君との思い出を最高だったと思っている。


「和也、一緒に写真とろう!」

「もちろん!」

中学校からの仲、大樹が声を掛けてくれた。みんなが自然と僕たちの元へ集まった。

僕は夏菜の隣に立った。

パシャ。

カメラのシャッター音とともに、この瞬間が、確かな思い出として刻み込まれた感覚があった。


僕は写真を撮ってくれた方へお礼を伝え、すぐにスマホを確認した。

夏菜が駆け寄ってきた。

「どう?良い感じに撮れてる?」

画面に映るみんなの表情は晴れやかだ。

「うん!みんないい顔してるよ!」


写真の中央で、普段より一段と笑顔が輝いている夏菜。

君と出会えて本当によかった。ありがとう。


ーそして十年前に戻る。ー

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