レグ・ランド号に乗って

@takurada00cat

第1話 時刻表通りの1日を

アジェロはレグ・ランド号の機関士である。

彼の仕事は都市と都市ー駅舎か退避路線さえあれば小さな村や線路の途中でさえも停まるがーを結び、人と物を運ぶことである。

運行予定は時刻表という形で記されているが、それは大雑把な移動手段であることを知らしめることにさえ役立つが、利用者にとっては一握りの益ももたらさないものであった。


すなわち、

「列車は、到着後3日の滞在ののち、発車します。お乗り遅れのないようにご注意ください」


到着も発車もいつになることやら、列車に乗ることを考えている人間には知り得ないことであった。

それでも長距離の輸送手段としてはこれほど優れたものはないことから、レグ・ランド号には一定数の利用者が付いていた。

そして今日も、アジェロの操縦によって列車は荒地を進むのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

レグ・ランド号に乗って @takurada00cat

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る