第9章:未開の花園

第46話・魔境探索

 砂漠を超えてやってきたのは未開の土地。山を上り下りを繰り返して、崖のようなところを下りています。


 メンバーはクロ、シロ、クリス以外になると、セツナ、ハルルンちゃん、ケモットちゃん、グットラックさん、フローラさんですね。


 とりあえず言われたところをまっすぐに進み、不可解な場所を見つけました。


「危険ですね」


「そうですねー」


「私も攻略組だけど、あなたたちの野生の勘はどうにかならないのかしら?」


 ハルルンちゃんがスキルではないの?と聞いてきますが、よく見ればヒントはあります。


 崖の下にある地面ですが、罠です。


 動物の骨が転がっていたり、草木を踏む動物がいない。


 木々が生い茂り、枝と枝が移動可能になった足場です。


「後衛職は無理だから、ぐるっと回り確認するよ」


「なら私も手伝うよ」


 ケモットちゃんがそう名乗り出て、フローラさんとハルルンちゃん三人はぐるっと周りを見に行き、私達は枝の足場にたどり着きます。


 奥に進むとわずかに寒気を感じますね。どうも雪があるみたい。


 鳥モンスターや新種の猿モンスターが現れました。


「試しに落としてみますか」


 それが罠でした。


 ◇◆◇◆◇


「ん?」


 外回りを見ていた三人は目撃することができた。


 巨大な花弁が地面から立ち上がり、中心を囲むように閉じたのだ。


「あー罠ですねー」


「これがねえ………」


「中の人達は大丈夫でしょうか?」


「簡易テントがあるから、近くでリスポーンするけど、デスペナがきついね」


 どうにか中の様子が分かればいいが、とりあえずこの巨大な花はどれくらい巨大か、確認することにした。


 ◇◆◇◆◇


「上から酸の雨が落ちてきます」


「この葉っぱが傘になりますね。とりあえずこれで防ぎましょう」


「んーとりあえずここって、巨大な食人花の中ってこと?」


 セツナの言う通りでしょうね。モンスターも逃げるか、葉っぱで身を守り始めましたね。


 ここに来た人達は地面に降りたのでしょうね。初見で見破るのは大変です。


 地面はすでに紫の液体がうっすら池になっていますね。


「とりあえずモンスターを撃退しましょう。クロ」


 クロを纏い、枝を飛び交い、モンスターをトドメを刺す。


 できる限り枝の上、ドロップアイテムも落とせない。


 モンスターは退治できましたが、ここに獅子座はいるのだろうか? また調べていけば分かることです。


 こうして探索一日目は周辺を確認して、花が開くのを待つ。この後は中央まで向かうぐらいにして、先を進んでみるのでした。


 ◇◆◇◆◇


 ああまた花が閉じた。誰かがここに来て、花に食われる。


 ここは食人花の中、ここに意識を飛ばしたのは失敗だった。


 だけどここならどの星座もやってはこない。獅子座は身体の力を使って、動けなくしている。


 もう何年経ったか分からない。希望があるとすれば乙女座か。彼女がどう動いているか知らないが、中立であることは間違いない。


 天秤座と射手座は頭が固いから、意味がない。乙女座は知っているのか、彼奴らが戦争を無駄に長くしている元凶だ。


 くそ、せめてこの情報を乙女座に伝えたい。彼らが眷属なら、可能性はあったのにな………


 くそ、くそ、くそ………


 悔しい。だれか………たすけて………




「おねえちゃんにまかせてください」




 どこかの誰かが、不意に呟く言葉。


 それは誰にも届かず、だが届いた。


 それを知るのは、一人のハイエルフただ一人。

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