第4章:のんびり旅
第19話・王都へ
ログインして隠れ里の様子を見に行くと、プレイヤーがかなりいる。復興作業と共に冒険者ギルドを建築しているらしい。
復興に『岩』と『固い岩』などのアイテムが不足している。これは『石』を錬金術で上げていけば手に入るため、あるだけ流す。
館の攻略をするため、プレイヤーは復興を早めているようだ。錬金術師であるキノコの妖精さんの好感度も上げようとしている。
そう言えば新しいスキルで【魔法道具作成】の他に【成分抽出】がある。使えるアイテムが無いか確認したら、薬草などで使えた。
薬草から絞り取るように鮮やかな緑色の液体を取り出している。試しに集めて、これで回復薬を作る。
できたのは『中級回復薬』で、味がまろやかだ。ネットで調べたが、果物と混ぜたりして味を変えようとする人が多く、失敗例ばかり。
果物にも【成分抽出】を使うと、果汁が取り出せた。これらを使い、試したところ、ちゃんとした『下級回復薬』と『中級回復薬』。MP回復の『魔力回復薬』のオリジナルレシピができた。
「おいしい、果物の味があって、しっかりしてる」
やり方は【乾燥】を使い、その後【成分抽出】を使って成分を確保。残った薬草は使わず、乾燥させた別の薬草を果汁の中に入れて回復薬を作る作業をしながら、丁寧に成分を混ぜる。
手間暇がかかるが、これでまともな味の物ができた。やったね。
さらに【成分抽出】は『鉄鉱石』にも使えた。そしてできたのは『純鉄鉱石』。おそらく純粋な鉄だけのアイテムだ。
鉄だけの素材ができたのだから、合金も作れないか? ネットで簡単に調べ、炭が必要のようだ。炭ができるか石窯で試したら木材でできた。
錬金術でできるか確認すると、『合金:鋼』ができる。すぐに作り、性能と品質は3か4くらい。レベルが低いからか?
ネットで調べたことを反映できるようだ。なにかこの鋼で使えるものを調べるか。こうしてしばらくはゆっくり過ごした。
◇◆◇◆◇
田舎町で冒険者、従魔、料理ギルドのランク上げをして、馬車移動をすることに。プレイヤーの手により、街道が安全に行き来できるようになったという話だ。
それに乗り込み、王都へと向かう。馬車代を浮かすため、箱庭にあの子達を置いての移動。これは何事もなく終わり、私はあっさりと王都に来られた。
王都は城下町とそれを囲む壁が圧巻であり、中では様々な種族が行き来する。
プレイヤーも混ざり、テイムモンスターもいる。なかなか賑やかなところだなと思いながら、冒険者ギルドに向かう。
「あっ、リオさん」
「お姉ちゃんこっちこっち」
そこにいるのは妹セツナとハルルン達。それと兎耳の獣人などが集まっていた。
「それじゃ関係者が来ましたし、情報料を支払いますか」
「はい、お願いします」
クラン名は『攻略本屋』と言う攻略の情報などを取り扱ったり、世界観を調べたりして楽しむクランとのやり取り。前々から渡してある【錬金術】の扱い、館の情報などなどの支払日だ。
「錬金術はお支払いは400万、館は50万、その他の情報は………」
こうして渡された半分は私の物。350万ほど受け取り、すぐに預けた。
「シロハナミツバチの情報は貴重ですね。テイマーである私も少し欲しいです」
「ケモットは獣系統の子だけかと思ってた」
「まあそうですけど、キノコの妖精も可愛いですし」
面倒見られればなと兎耳の子は呟く。最強プレイヤーと名高い子だった。
もうすでに【調教】で多くのモンスターをテイムして、なんとか交換した箱庭が満タンらしい。
預けたりできるが、ホームでのんびりさせたいと思う。場所が無いと嘆く。
情報を扱うクランがいるのならと、回復薬のことを話す。するとみんなギョッとして、取り出したオリジナルレシピのポーションに驚いていた。
「やっと、あのくそまずい味のさようなら」
「売ってくださいっ。全ユーザーの悲願です。作り方教えて!」
作るには錬金術のレベルが高くないと無理だが、新素材が取れるようになったいま、すぐに上がるだろう。
これは500万くらいするかもと言う話になり、前金で250万渡された。
「早くない?」
「いえいえ、この情報は全ユーザー必須のものですから」
「とりあえず【成分抽出】は使える子がいるから、急いで試してもらわないと」
大慌てで帰っていく。残ったのは『焔の魔導団』のメンバー。
「お姉ちゃん他になにかない?」
「んと、【成分抽出】は鉄鉱石でも使えて、鋼が手に入ったくらいだけど、調べればすぐ分かることだからいいよね」
「そうなの?まあスキル確認はしてそうだから知ってそうだね」
鋼で作りたいものがないか話し合い、セツナが刀が欲しいと言うので調べることにした。
「この後はどうします?」
「キノ、シロ、クロの三人をレベル10、ヒスイをレベル5にしたいですね。クリームももうすぐ5ですけど、あの子は戦闘系は無いですから」
「ならしばらくは魔導団と行動一緒にしない? いま山脈地帯進んでるんだ」
「そうなの?セツナと遊ぶ約束してるから良いよ」
こうしてやることを決めて、しばらくクラン『焔の魔導団』にお世話になるのであった。
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