第18話・初回イベント:報酬

 イベントの翌日、報酬リストがプレイヤー達に送られた。


 貢献値、討伐値、活動値などの合計ポイントで報酬と交換できるらしい。レアな物もあり、リストはかなり多く、カテゴリー検索が付いている。


 リオはログアウトしながら、セツナである妹と相談しながら交換することにした。


 リオとしての活動で、貢献値はかなり高く、内容は無償料理提供、料理指導、材料提供などである。


 討伐値はゴブリンを始め、一番大きいのはボスであるギガントである。素材も落としてもらい、これは助かった。


 活動ポイントは討伐と料理提供であり、中には隠れ里救出と言うのもあった。妹にもあり、隠れ里の方に出向いた人に贈られるらしい。


「他にも偵察や、情報集めもあるね」


 合計で28550ポイント、ポイント獲得数10位以内。そんなにもらっていいのか?


「いや、お姉ちゃんの料理でモチベーションが保てたところがあるからね。ハルルンはまずい薬飲んだ後、ミックスジュース飲んで誤魔化したから」


 特に多くのプレイヤーから感謝されていたらしい。妹は五位内であり、ハルルンの名前もある。


「【推し活】や【令嬢】、聖女騎士団のリーダーさんが入ってるな」


「だれそれ?」


「上二人はソロプレイヤーで活動してる有名人。最後のはトップクランの一人だね」


 ちなみに最強プレイヤーは『ケモット』と言う名前のモンスターマニア。モンスター討伐数はプレイヤー1位であり、現状最強。


 ただし本人はモンスターをテイムする目的で戦い続けているだけで、不本意ではあるらしい。


 しかも進化先も気になるけど先にいるモンスターと会いたいから、検証クランと協力して前へ前へ出ている。とりあえず狼などのモンスターやファンタジーにしかいないモンスターをテイムしたがっているとのこと。


 ちなみにこの人がポイント1位である。凄いね。


 そんなこんなで、報酬リストを見て、なにが欲しいか確認する。


「箱庭系のアイテム一覧がある!うわあどうしよう」


 箱庭系は鍛冶場、お屋敷、コテージ、教会などあり、クランハウスにも使えるタイプがあるが、もちろんポイントは高い。


 ちなみに箱庭情報はすでに掲示板や攻略サイトで紹介されている。


「どうしようかなーお姉ちゃんに負けたくないから、スキル装備のアイテム交換して、パワーアップか。それとも欲しい物を取るか」


「たぶん、クリームが作る物着込むから、材料があればパワーアップできると思う」


「んーお姉ちゃんからクリームちゃん借りるって手もあるけど、身内贔屓してることが流れると、絶対に粘着があるからな」


「なら、商品として売り出せば? そうすればまずはセツナとかにプレゼントしても問題ない気がするけど」


「それでも贔屓贔屓言う人は言うよ。中途半端は嫌だから、やっぱりキャラ強化かな?」


「お姉ちゃんはお家強化かな?お風呂、とか買い込む」


 鍛冶場、制作部屋、キッチンに足りないアイテムを買い込む。


 風車小屋などあるが、タップして性能を見ると石うすで粉を作るとなっている。これがあれば岩石アイテムである小麦石とか使えるな。これが三つ。


 庭を広くする拡張機能を買い込み、キッチンセット(三口魔導コンロ オープン 魔導冷蔵庫 包丁などの道具)と鍛冶場ができるセット。


 それと製作、調合と錬金術の部屋。後は従魔用の軽いインテリアと魔法生物達用の餌、魔導クリスタルと言うのを買う。これがあれば朝日と共に魔力を貯めて、彼女達に使用できるらしい。二つ購入。


 これで15000ポイント消費した。残りは………


「樽系は欲しい、二つずつ買って四つ。素材倉庫も欲しい。拡張でこれも」


 倉庫は高く、合計で10000ポイント。残り3000ちょい。


「んーインテリアとかにしよう。中庭に池、残りは本にしよう」


 料理素材書と調合レシピ(大)(中)(小)と言うのを買い込み。残りは素材や本当にタダのインテリアでしかないものに割り振って終了。


 最終確認してリストを運営に送信。妹も選び終えているようだ。


「そういえば、モンスターの卵はあったけどいいの?」


「いいよ。すぐに孵せないし、戦力アップより、私はあの世界楽しみたいから」


 そう言って、卵はいざとなれば見つければいいとも思う。あればまたゲットしようと考えながら、今日は休むことにした。


 妹はすぐにログインしに行って、私は私で時間を潰す。


 ◇◆◇◆◇


 報酬を受け取り、家で使用する。


 リビングとして暖炉があり、窓には綺麗な緑色のカーテンを付けて、テーブルに椅子など設置。


 すぐそばにはキッチンがあり、外には石窯がある。


 庭があり、三つの風車の小屋が風を受けて石うすを動かし、シロが庭に花を飾っていた。


 残りはベットを配置して、服飾部屋はクリームの部屋、他の者達も好きに部屋を用意。ヒスイ達用に魔導水晶を配置。


 倉庫は結構広く、料理などの素材も保管できるタイプだ。


 鍛冶もできるようになり、錬金術の部屋の本棚に調合などのレシピを置く。


「偶然手に入ったので良いのはこの二つかな?」


 イベントの戦場で手に入れたアイテムの中に、この二つがあった。一つは錬金術の古本と言うので、古いレシピが載っている。錬金術師の妖精さんに渡したが、私の物ではないと返された。古代語と言う文字で書かれていて、読むには【翻訳】のスキルがいるらしい。それか辞書で読むしかないとのこと。


 これは王都に行けば可能性はあるため、次は王都だ。その先も気になるし、そろそろ移動しよう。


 もう一つは友情のネックレスと言うアクセサリー。テイムモンスターを一人多く連れ歩ける。テイムモンスターならば私は一人多く連れて歩ける。いずれ必要となるだろう。


 こうして準備を一通り終えてから、私は行動を開始した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る