第3章:スタンピード
第14話・初回イベント:始まり
ついにイベント当日、休日のお昼前に田舎町で会う約束をして、ログインする。
田舎町ではプレイヤーが多くいて、私は可愛らしいポンチョを着込み、キノとお揃いだ。キノ達も装備品を整えた。
キノはお揃いのポンチョ、シロはスカーフ、クロは投げナイフのベルト、ヒスイはローブを着込む。
あと一人連れて歩けるけど、クリームは戦闘不向きだからね。こうして待ち合わせをしていると、狐耳の可愛らしい女の子が話しかけてくる。
「お姉ちゃん!」
この子が妹、この世界での名前は『セツナ』である。魔法剣士で炎が得意、武器は両手持ちの両刃剣。魔法触媒は指輪らしい。
「お姉ちゃん可愛い♪似合ってるよ装備」
「ありがとう、セツナも和風で統一してるんだね」
「うん♪ あっ、そうだ。仲間紹介したいから来てくれる?」
「うん良いよ」
セツナと共に移動すると、冒険者ギルドの一室を借りている一団の元に。
「おーい、『ハルルン』、お客さん」
「………どうもです」
悪魔族らしい可愛らしい女の子、赤いゴシックロリータで固め、赤い髪に瞳の少女が頭を下げる。
彼女が私にゲーム機を貸してくれた女の子らしい。
「ゲーム機、ありがとうございます。おかげで楽しんでいます」
「それはありがたいです。こちらも渡した手前、楽しんでいただければと思ってましたから」
そしてセツナがところでお姉ちゃんと聞いてくる。
「あのね、そろそろ私ら、限界なんだ」
「えっ………ああ、ご飯ね。あるよ、いっぱいね」
「本当ですか?!」
ハルルンも驚き、周りの人達が手を止めてこちらを見る。とりあえず大きな鍋を取り出しておく。
「置く場所ありますか?ご飯の時間です」
それに一斉に歓声を上げるプレイヤー達。みんなちゃんとしたご飯が待ち遠しかったらしい。
「うめえぇぇぇぇ、このノーマルボアの豚骨出汁のスープうめえぇぇぇ」
「俺はトウガラキノコの油麺だ!ピリ辛で食欲が止まらない!」
「はわわっ、バウムクーヘンのジャム乗せ美味しい。クリームプリンも絶品です」
「飲み物は水しか飲めてなかったけど、ミルクもうまい!ミルクくらい買い置きすればよかった」
「それはミルクフラワーから取れた牛乳蜂蜜です。シロがたくさん用意したんです」
えっへんと胸を張るシロ。それにおおっとざわめく。
「シロハチミツバチ、SP1点ドロップするから、血眼になって倒してたけど」
「倒しちゃだめだよ、この子がいないとこのドリンクが飲めないよ」
「卵料理がまだありますが、いらないようですね」
「すいません!ちゃんと言い聞かせるのでどうかお恵みを!」
卵はトマトと絡めた物や、卵焼きやチーズINの物を出す。チーズ乗せのお肉が喜ばれている。
「はあぁぁぁぁゲーム内でこんなに食べても太らないのは問題です。なぜ運営は食改善しないのでしょうか」
「もしかしたらバウムクーヘンの木みたいな場所があるのかもな。それを見つけさせるためにわざと」
「可能性はあるね」
わいわいがやがやと食べ終えてから、一同がお礼を言う。
一部料理には料理バフがある。攻撃力を上げたりできているので、イベントでサポートできるだろう。
「一応食材は確保してますので、料理スキル持ちは手を貸してください。この子がいればちゃんと作れます」
「キノー」
キノを見せて拝められる中、今後イベント中について話し合う。
「それではリオさんはイベントどうします? セツナと共にプレイするのですか?」
「私は別にいいよ。セツナが友達ともしたいのなら、私が混ざる感じかな?」
「それじゃ戦闘多そうだから、ギルドの人達と組もうよ。一応トップ組の一つだから手を貸せるよ」
それにじゃあそれでとなり、しばらく私はギルド『焔の魔導団』に力を貸すことになる。
「どうも、副ギルマスの『クリア』です。水魔法回復役で、経済面を担当してます」
「えっと、魚人族?」
「はい、水中で酸素無しで行動出来て、水中ペナルティは無いんです。かわりに火魔法が弱点ですが、このゲームフレンドリーファイヤは無いので、安心です」
とりあえず行動するに当たり、パーティにセツナを入れてフルメンバーにして、『キャラバン』と言うパーティ同士が組むシステムを使う。最大3組組める。
「こっちもレベル上げメインにするから、幹部二人に低レベルプレイヤーで組ませてもらうよ。小学生もウチに入るからね。それでいいですか?」
「構いませんよ」
その小学生プレイヤーはケーキを食べて満足して紅茶など飲んでいる。ミルクを飲みながら元気に活動できそうらしい。
「それでは皆さん、そろそろ時間です」
カウントダウンが始まる。スタンピードが始まるまでカウントがゼロになる。
ゼロになった途端、サイレンが鳴り響き、通報でゴブリンの大群が発見されたと言う連絡が入る。
場所は、花蜂蜜の森。
………隠れ里は平気ですか?
こうして最初の行動は、隠れ里に直行するである。
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