第2話・戦ってみよう
町の外、フィールドに出る。最初のフィールドは『草原の平地』。平たい草原が広がり、所々でプレイヤーを見かける。
初期に出るモンスターはどんなものが出てくるだろうか?
そう思っていると、大きなキノコが現れた。
「キノー」
「えっと」
ジッと見つめ、鑑定スキルを使う。【ベビーキノコ】と出ている。キノコのモンスターだ。手乗りサイズのキノコが動いている。小さな手足と口っぽいものがあるな。なるほどこれがモンスターか。
初めのモンスターにいいかもしれない。だって仮想世界でNPC以外で初めて出会った子だ。
「キノコちゃん、モンスターフード食べる?」
「?」
こちらに近づくが少し遅い、これはステータス確認しないといけないな。
手のひらに乗せたモンスターフードを食べて光り輝き、モンスターがテイムされたとウインドウが開かれ、これで私はモンスターをテイムした。
「お互い初めてなことばかりね。これからよろしく」
お名前はキノコ、キノちゃんにしよう。
『キノ』 種族:ベビーキノコ LV1
HP10 MP10
筋力:5 耐久:5
知力:3 魔力:5
器用:5 敏捷:2
幸運:5
【特殊能力】
毒鱗粉 毒耐性(小)
えっと、プレイヤーでHPが低いエルフだっけ? エルフである私はHP25。私はエルフとしては高い方だけど、この子はかなり低い。
装備品を装備していないから初期プレイヤーよりも弱いことは分かった。
筋力は攻撃力、重量による物の持ち運びに関係するステータス。
耐久は物理ダメージ減少に関わり、知力は魔法ダメージ減少や知識系スキル熟練度、習得値に関係する。
魔力は魔法ダメージを出すステータスで、器用は生産、物作りに関係してクリティカルダメージ箇所を狙うときに必要。敏捷は身体を動かす時に関係するステータス。
幸運はクリティカルダメージのダメージ量、ドロップアイテム率、テイム成功率に関係する。
「大事にしないとね」
初めてのモンスターをテイムして、SP、ステータスポイントを思い出す。
ステータスポイント、SPはイベント、特殊クエスト、称号、レベルアップした時にもらえるポイント。HP、MPをはじめとしたステータスを自動アップ以外に上げることができる。
「よし、次は他にモンスターがどんなものか見ようか」
「キノ」
キノを頭に乗せて私はフィールドを気を付けて歩く。また新しいモンスターが現れた。今度はネズミで怖くしてある。
噛みつこうと迫って来たから、踏みつぶした。
グギャと悲鳴を上げる【ノネズミ】。普通より丸々太っていて大きいな。
踏んだ後は片手剣を振り上げて振り下ろす。とりあえず倒されるまで叩きつけておこう。
動物虐待? いいえ、この世界は弱肉強食のゲームの世界です。どんな見た目でも敵は倒さなければいけません。
どんな手を使おうと、犯罪、チートやバグじゃなきゃなんでもいいのです。キノにも攻撃させて経験値が入るようにします。
しっかり効いているのかじたばたするからまた片手剣で叩きつけた。
よし一匹倒した。ドロップアイテムは錆びた武器?で5G手に入ったよ。
これがゲームか、少し大変だなと思いながら同じようにモンスターを倒し続けた。
しばらく餌代を稼がないといけないし、この辺りでモンスターを倒さないといけない。クエストと言う依頼もこなせればいいな。
一通り回ったら町を見てみよう。とりあえずたくさん狩らないと。
こうして出てくる角の生えた兎、野犬っぽいモンスターには負けそうになった。一度町に戻らないと。確か宿に泊まればいいんだよね? 宿代あるかな?
そう思いながら草?と言うアイテムや錆びた武器のアイテムを手に入れた。鑑定してみると【薬草】など様々なアイテムを手に入れた。
「【薬草】が手に入ったから、傷治らないかな? ログアウトして確かめよう」
回復する手段が無いと困る。その辺りはネットやギルドの人に聞けばわかるかな?
こうしてモンスターと戦った私は、少しだけゲームの世界を堪能するのでした。他にも可愛い子いないかな? ウサギは良いけど、ネズミと野犬はどうだろう。野犬目が六つだしな。
そういえば空腹値がある。減りすぎると餓死するので食べなければいけない。
ネットではすこぶる評判の悪い食べ物で、食べてみたら野菜の苦いを凝縮したような味だ。まずい、ただまずいだけの食べ物だ。料理スキルで料理しないといけない。
「よし、ここから計画的に動こうか」
まずは回復手段獲得、次にレベル上げをしておこう。ゲームだし、レベルは大事なはず。次に料理する環境を手に入れる。これは一番道のりは遠そう。
しばらくはネズミを狩ろう。キノの攻撃も効くし、それしかない。
他にもゲームをしている人がいるが、大抵の人は攻略メインのはずだ。私のようにすでに目的を終えている人と関わるのは嫌かもしれない。できるだけ関わらないようにしよう。
そうこうしていたらネット経由で妹から連絡が入る。
『ごめんお姉ちゃん。みんな攻略メインだから抜けられそうに無いや。合流遅れるかもしれない』
『しばらく攻略の方に付き合うからのんびりやってて。質問とかあったら投げてくれれば答えるよ』
『あと、お姉ちゃんも種族変化あった? 選択した種族の上位とかだったら連絡して欲しい』
そんな会話に対して、お姉ちゃんはエルフのハイエルフになりました。いまはキノコを連れて楽しんでいますと伝えると、すぐに初期データといまのデータ。SP振り分け方を教えてと連絡が入り、スクショを投げておく。
お礼を言われ、しばらくは初期フィールドで探索だろう。
そう決めてキノを庇ったら目の前が真っ暗になった。あっこれは死に戻ったって奴だ。キノがそばに来て、気が付くと広間。んー3時間のステータスダウンはでかい。
とりあえず町の中を見て回ろうと決めて、キノを頭に乗せて歩き出した。
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