最強皇帝陛下はエルフ少女

エイル

ペットを飼うだけはずが皇帝になる平民

 どこかの異世界には亜人と呼ばれるエルフやドワーフ、獣人などなど多種多様な種族が暮している。

 

 魔法があり、魔法技術レベルも向上してきて鉄道も発明され大都市が形成され始めている。

 

 テイム魔法が発明されて魔法技術は新たな領域に、至っている。

 

 そして1つの予言があり、人々はその時が近いと感じていた。

 

 予言は、魔王が恐怖を与えるとき、勇者の剣と人と暮すドラゴンの献身により魔王は滅び世界は平和になる。

 

 この予言が現実になるのはドラゴンのテイムも近いと言われているからだ。

 

 そんな世界の田舎と言える森に暮す一人の8歳の女の子のエルフがいた。

 

 耳が長くて、背は小さな子供である。森の奥は魔物が跋扈し危ないので、ごく浅いところが彼女の遊び場になっている。

 

 魔法の向上によりモンスターを支配して使役する、テイマーという職業が生まれている。

 

 まさに世界中の人々から憧れを集める花形職業であるが、テイム魔法は難しくて魔物を幼い頃からテイム魔法で縛りつつ飼い慣らす必要があり、イメージに反して大変な職業だ。

 

 強力な魔物を支配したテイマー!!現るとかテイムした魔物を使い記録樹立などニュースだけが、世間に知られる姿だった!

 

 8歳の少女エルフにはそんなテイマーの裏事情など知る由もなく、将来はテイマーになって、テイマー大会で優勝して魔王に勝つというのが夢だ。

 

 その日は友達が風邪なのでたまたま独りで森を散歩していた。

 

「やっぱりユウ一人でお散歩しても楽しくないや。お家に帰って、ランドルフのお家に行こっと」

 

 この発言でランドルフくんは背筋が凍るほどの恐怖を感じたのである。

 

 8歳の少女名前はユウで、同い年エルフのお友達はランドルフである。

 

「ブフォォォ!!」

 

 本来はもっと奥にいるはずの太った人形モンスターの頭が豚である、オークがユウに遅いかかる。知能は低く食欲と性欲、破壊欲に生きるモンスターである。

 

「きゃーーーー」

 

 ユウは恐怖のあまりに叫びながら、エルフ特有の魔法才能を遺憾なく発揮して数百倍に威力増強した右ストレートを美しいフォームで繰り出す。

 

「ガハッ!?」

 

「何だ弱いじゃん。今日からユウの下僕にしよっと」

 

 オークはテイム成功例がない。あまりにもテイムに向いてない性質なのだ。そんな魔物を右ストレートで撃沈したユウはテイムする事に決める。

 

「お前は今日からランドルフ2号よ!!ヒール」

 

 子供のユウに最新理論であるテイム魔法の知識はない。宣言しても回復したオークは従わずにユウで食か性か破壊のどれかの欲を満たすために襲いかかる。魔力こそないオークであるが物理戦闘能力はそこそこ高い中堅なのだ。

 

「ランドルフ2号ダメでしょ!!」

 

 ユウのジャンプ回し蹴りが、オークの頭部に突き刺さり、またしてもオークを半殺しにする。もうユウはランドルフ2号を完全に下僕と思ってるので、遠慮はない。

 

「もぉ悪い子何だから、お仕置きだよ。ヒール、ヒール、ヒール」

 

 半殺しのオークの股間を何度も踏み付けて地面に、オークをめり込ませる。本来オークは耐えられないのだが、ユウのヒールにより回復するので、死ぬことはない。

 

 なぜならランドルフくんで、試しまくってあるからだ。手加減と回復のタイミングはよく分かっているユウである。

 

「ぶひぃ~!?ぶひぃ~(¯―¯٥)ぶひぃ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」

 

 ドゴッ!!ドゴッ!!と股間を破壊されては再生される拷問に、ランドルフ2号は本能を叩き折られて、ユウに服従したのだった。

 

「大人しくついて来るんだよ」

 

「ぶひ」

 

 こうして意気揚々とユウは、新しい下僕ペットを連れて家に向かうのだった。

 

 家に帰りお母さんにペットを飼う許しをこう。

 

「お母さん!!ランドルフ2号を拾ったの飼っていいよね?」

 

「ランドルフ2号?って・・・オークじゃない!!そんなに危ないのダメに決まってるでしょ!」

 

「ランドルフ2号はいい子だよ?」

 

 ランドルフ2号下僕2号はエルフの村にハッスルしている。つまりユウのお母さんへ遅いかかろうとしている。

 

「ブフォォォ!!」

 

「め!!黙りなさい」

 

 ユウのドロップキックが、ランドルフ2号下僕2号へ叩き込まれてオークの背骨が粉砕される。

 

「ぶひぃ~(泣)」

 

「ヒール、ファイア!!ヒール、暗黒弾!!ヒール」

 

 手慣れた様子で魔法によりボコられるランドルフ2号下僕2号である。

 

「ユウ!!そのオークはマゾじゃないのに、なにしてるの!!辞めなさい!!そんな危ないモンスター絶対に飼ってはいけません!!」

 

「新しい下僕ランドルフ2号出来たからランドルフくんで、もう実験しないから飼っていいでしょ?」

 

「ドマゾのお父さん以外にそんなことしてはだめでしょ?そのオークは捨てて来なさい!!」

 

「えー、ランドルフ下僕1号は大丈夫だよ?ケガしても治したら泣きながら許してくれるもん。ランドルフ2号がダメならランドルフ下僕1号で我慢しなきゃなの?」

 

 お母さんは自身の行いを顧みないで、ランドルフくんは不憫すぎるなと思い、オークで済むなら良いかと思う。

 

「ランドルフくんよりは、オークの方がましね」

 

「わーい、お母さんありがとう!!」

 

 こうして、テイム魔法によらない方法でオークはランドルフ2号と名付けられて、飼われたのであった。

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 それから10年後、ユウはランドルフ2号でテイムモンスターの大会で決勝戦まで勝ち上がっていた。厳密にはテイムしてないが、些細な事である。

 

 そして大会は数日前に召喚された勇者も、異世界の勉強として観戦している。

 

「さぁどんな攻撃も耐える最強タンク!!オークのランドルフ2号と唯一オークテイマーのユウだぁ!!」

 

 大人になったユウは世界で唯一無二のオークをテイムしたテイム魔法を使えないテイマーである。司会に紹介されて観客に手を振りながら現れる。

 

「対するは、最強の矛!!アルティメットファイアドラゴンのアルフィと世界初のドラゴンテイマーのランドルフだぁ!!」

 

 ランドルフくんは幼い頃に恐怖を体験したからか、赤ちゃんとはいえかなりの力のあるドラゴンを恐れず従えて、育てることに成功していた。本物のテイム魔法使いだ。

 

「時代をつくる同郷対決の勝者はいかに!!」

 

 司会は仕事をやりきると、アルティメットファイアドラゴンの近くは危ないと避難する。

 

ランドルフ下僕1号はカッコ良くなったね。私が勝ったら結婚してよ」

 

 決勝戦で女の子ユウの突然すぎる告白に会場のテンションは最高潮に達する。

 

「ユウ断る。僕はもう王女様と婚約してるんだ。それにオークにランドルフ2号とな名前をつける君なんて嫌すぎるだ!!」

 

 勇者と共に戦うかもしれないドラゴンテイマーを王家は囲い込みを狙ったのだ。そしてオークに自身の2号と名付けて数々の拷問をしているのを知ってるランドルフが、告白を受け入れるわけがない。

 

「知らないもん!!ランドルフ2号やっちゃえ!!」

 

 アルティメットファイアドラゴンには勝てませんよ。みたいな顔をするランドルフ2号がユウの顔色を伺い、これ負けたら死ぬよりつらい目に合うやつだと理解する。

 

「アルフィ!!オークをねじ伏せてしまえ!!」

 

 ランドルフが、相棒の勝利を信じて疑わないために指示を出す。

 

 戦闘開始か!?という時、空が割れて優男風の魔王が現れる。強くなる前に勇者を亡き者にしようという魂胆である。

 

「アルフィ!!頼む!!勇者を守れ!!」

 

 ランドルフくんは絶望的な戦いに、挑ませる事に心を痛めながらも、命じる。

 

「ガルァァ!!」

 

 幼少よりともに生きたランドルフの悲痛な命令にアルフィは自身の主人のために、献身的に時間稼ぎだとしても、魔王へ立ち向かおうとする。

 

「ランドルフ2号、分かってるよね?あの邪魔者をぶっ殺して決勝戦で勝ちなさい」

 

 無茶振り!!それは無理とランドルフ2号はオークながら思う。そしてユウのガチギレ寸前の表情を見てしまう。主への恐怖から空間を割ってやってくるほどの力がある魔王へ、自爆覚悟の特攻を仕掛ける。

 

「オークか、せめて楽に殺してやろう。暗黒弾!!」

 

 ランドルフ2号は魔王の暗黒弾を受けるが、無傷である。そしてランドルフ2号は、自分の主の暗黒弾は数千倍は威力がある。本当の化け物はやっぱり主と思った。

 

ブフォォォ!!ブフォォォ!!見掛け倒しかよ!!こっちは折檻確定だぞ責任取れや!!

 

 怖いものはもうユウしかないランドルフ2号は、魔王の顔面を殴り飛ばす。

 

 水平にぶっ飛んだ魔王へダッシュで追いつき、エルボーで水平に飛ぶ魔王を地面へ叩き込む。

 

 まさかのオークであるランドルフ2号の攻撃で魔王は一瞬で虫の息になる。

 

 その間にユウは観戦していた勇者の所に超高速で移動している。そして勇者が持っていた刃のない練習用の模擬剣を勝手に抜くとランドルフ2号へ向けてで剣を投げる。

 

「ランドルフ2号!!勇者の剣なら魔王を殺せる!!やりなさい」

 

ぶひぃぃ!?ぶひぃ~それ違うぅ!?死ぬぅ〜

 

 ランドルフ2号は極音速音速の5倍以上を受け止めるのは不可能だし、この極音速で飛ぶ模擬剣ならどんな生き物も殺れると片腕を犠牲にして、魔王に当たるように軌道を変える。

 

「ランドルフ2号ヽ(`Д´#)ノなに決勝戦の前に怪我してるの!?バカ!!ヒール、暗黒弾!!ヒール」

 

 ランドルフ2号は、極音速の剣により無くなってた腕が治ると、暗黒弾で瀕死になりまたヒールで回復する。

 

 これには、アルフィもランドルフも召喚された勇者も王家も観客もドン引きである。テイマーなのに普通に魔王より強いじゃんと。

 

「ランドルフ!!邪魔者は居なくなったしいざ勝負!!」

 

グルァァ!!これ戦わないと主人が終わる!!

 

ブフォォォ!!ドラゴンより主が怖いんじゃ!!

 

 アルティメットファイアドラゴンの炎ブレスをランドルフ2号に吹き付ける。

 

 ユウのファイアよりアルティメットファイアドラゴンの炎ブレスは威力がかなり低いので、ランドルフ2号は無傷だ。こうなるとアルフィは一方的にランドルフ2号にボコられる運命だ。

 

ランドルフ下僕1号どう私のペット?」

 

「強すぎ・・・ありえないよ!!あんなのを半殺しにするユウはもっとありえないよ!!」

 

 ランドルフはボコられて負けたアルフィを見て、幼い頃の地獄を思い出し遠い目をしたのだった。

 

 ユウは魔王殺しとしてランドルフ下僕1号とついでに召喚された勇者下僕3号を妾にして、王子様下僕4号と結婚したのだった。

 

 ランドルフくんと婚約してた王女様は下僕5号に指名した。

 

 逆ハーレムを達成して、百合相手もゲットして女帝として、ユウは君臨し長年世界を導いたのだった。なおアルフィは下僕6号として鍛えられた酷い目にあったらしい。

 

 

 

 魔王が恐怖を与えるとき、(ユウが投げた極音速で飛ぶ)勇者の(持ってた練習用の模擬)剣と人と暮すドラゴンの(主人を守るための)献身により魔王は滅び(というか消滅した)世界は(ユウが満足するための尊い犠牲下僕達より)平和になる(だって最強のユウに逆らう者はいないから、争いは無くなった)。

 

 予言は色々と抜けていたが、確かに当たっていたのだった。

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