第4話 お布団
今日もお布団に
今日も来てくれてありがとう。
お布団といえば、
その日は思歩の両親が家にいない日で、お泊りにいったの。
一緒にゲームしたり、ごはん食べたり、お風呂はなんだか恥ずかしくて別々に入っちゃったけど。
その後お布団に入る時どんなだったかな……。
「ねえ由未、お布団どうしよっか? ひとつだけでもいいんだよ?」
私を試すように笑いながらそんなことを言われたっけ。
「いや、えっと、ふたつで大丈夫だよ」
「ほんとにー? さっきもほんとは一緒に入りたかったんじゃないのー? ねえねえ一緒のお布団入ろうよぉ~」
「えと、でも狭いし……」
「しょうがないなぁ」
そうやって最初は普通にお布団2つを並べてくれたんだけども。
それぞれお布団に入って、部屋が暗くなってからは全然違うことになって。
「ねえ由未、やっぱり一緒のお布団がいいなー。こっち来ない?」
「えっと……」
ほんとは一緒のお布団がよかったけど、恥ずかしすぎてどうしても私からは近づけなかったの。そんな私を見かねてか、思歩から提案があってね。
「それじゃあ私が由未のお布団に潜り込んじゃえばいっか~。いい?」
「えっと、うん……」
そうして私の懐に思歩が潜り込んできたの。
ばさって私のお布団をめくりあげて、「よいしょ」って言いながら私の真隣に位置を調整する感じで。
お布団の中にふたりだから窮屈なはずなのに、ドキドキもして安心感もあって、すごく幸せな感覚だったの。
うぅ……。今も横にいてくれたらいいのに……。
それでね……。確かその後はこんな感じだったの。
「えへへ、来ちゃった。近くで見てもやっぱり由未はかわいいね。好きだよ」
あまりにもドキドキが過ぎて、どうしようもなく好きって気持ちが湧き溢れちゃって。
「……私もすきー!」
なんて言っちゃって。
なんだかそこからは私の方が積極的になっちゃってね。
そこからはぎゅーってこっちからハグしたり、「あたまなでてー」って言って甘えたり……。
うぐっ。うぇ。ひぐっ。
ちょっとまって。
あ、あ、あ……。
だめだめ。とまって。
ひぐっ。はー、は、はー、はー。
ねえ助けて……。
あたまなでて……。
心の中で思ってくれるだけでいいから……。
すー。はー。
うん、ちょっと大丈夫になってきたよ。
ありがとね。
ちょっとこの先は思い出したくもないから、もう終わり。
ここからはあなたのことを考えてみるね。
あなたは恋人と一緒にお布団に入ったことあるのかな……。
……。
やっぱりこの話は無し。
お布団ってあったかいよね。ぬくぬくしてて心地いいよね。
そのお布団が与えてくれる安心感ってあるよね。
でもそんな安心感を上回る寂しさだとか苦しいことに襲われちゃったら安心して眠れなくなっちゃうんだ……。
どうしても涙が出てきちゃったり息が苦しくなったりしちゃって安心感が足りなくなっちゃうの……。
だからホットミルク飲んだり、落ち着いた好きな音楽聞いたりして安心感を補充したりしてるんだけど、そうできないこともあって、なんでだろうね……。
もっと自分のこと愛してあげたいのに、時々そうやって苦しさに呑まれてしまったりして、まるで自傷行為だよ……。
こうやって思い出すことも自傷行為なのかな……。
でも、そんなこと言ったって苦しさを無くそうと思ったら傷に慣れていくしかないと思うの……。違うのかな……。
忘れたくないのに、忘れていたほうが気持ちは楽なんだよね。
どうしたらいいのかな……。
心の中に大切な思い出としてちゃんとしまってあげられたらいいのかな……。鍵をかけて思い出したくない! ってするんじゃなくて、ちゃんと心の深いところで大切な宝物として、鍵はかけずにしまっておくみたいな。
そうできたら私は立ち直れる気がする。
確かに苦しい思い出だけど、ちゃんとその思い出を大切にしてあげたいな……。そしたらきっと前に進めるはず。うん、私がそう感じたんだからそれでいい。
お話に付き合ってくれて、なでなでしてくれてありがとね。
おかげで大切なことに気付けた気がするよ。
あのままだったら心の余裕なんてどっかにいってただただ自傷行為に走るだけだった気がする。ほんとにありがとう。
それじゃあそろそろ寝ようかな。
おやすみなさい。
☆
もし応援コメントを書いてくれる優しい人がいたら、私(由未)が答えるよ!
今日話題に出した、お布団の話、安心感の話、感想でもなんでも大丈夫だよ!
あなたの感情、大切にするよ。
(作者にコメントしたい時は「作者さんへ」みたいに書いてくれたらいいよ!)
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