第21話 拠点消滅
『さて、ステータスポイントもたくさんあることですし、早速ステータスに割り振っちゃいましょう! 計画通り、魔力に極振りでよろしいでしょうか?』
明るい声でアイリスが聞いてきた。
やたらとテンションが高い。
『魔力に極振りしちゃって良いですね!?』
「う、うん。よろしくお願いします」
彼女の勢いにつられて承認しちゃった。
『承知致しました!』
「……身体が光ったりはしないんだ」
ちょっと待ってみたが、特に何も起こらなかった。
『レベルアップとは違いますからね。単調な事務作業みたいなものです』
「そうなんだね」
とりあえずステータスを確認してみようかな。
ステータスボードを弄ろうとしたら、アイリスに声をかけられた。
『祐真様。貴方が魔力の極振りで強くなるには、貴方専用の魔法をスキル【特許権】で登録しておく必要があります。今からその魔法を考案してください』
「あっ、そっか」
アイリス
俺は今から、最大魔力量に応じて防御力が増加する新魔法を特許化する!
──***──
その後。
『審査請求を実施。実体審査に移行します。現在、審査中……。審査の結果、“権利化査定”となりました』
「なんか、一瞬で審査終わっちゃった」
俺が考案した魔法詠唱はあっさり権利化された。
『多数の特許を同時進行で処理したことにより、私の能力が向上したみたいです』
「アイリスも進化してるんだ、凄いね」
このまま成長させたら、いつかゴーレムとか乗っ取って実体を手に入れそうだな。そんで俺を含めた人類に反旗を翻すと……。
『ご安心ください。例えそのような状況になっても、私は祐真様の味方ですよ』
ゴーレム乗っ取るとこは否定しないんですか。
『それはさておき、特許権利化特典で魔法を発動させましょう!』
「魔力はたくさんあるんだから、特典使わなくてもよくない?」
『先ほど権利化した魔法は最大魔力量の半分を消費して発動する最上級魔法です。祐真様の魔力の5割となると、とてつもなく膨大な量です。せっかく特典により魔力消費なしで発動できるのですから、それでやりましょうよ』
何故か気になる言い方だった。
「わかった。それじゃ、発動させるね」
でも反対する理由もないため、彼女の言う通りに実行する。
「
なんとなく闇属属性の魔法にしてみた。
魔力量に応じて物理防御力と魔法防御力を向上させる魔法は、無事に発動した。
「あんまり変化はないな。これ本当に──」
魔法がちゃんと発動しているのか確認しようとした時、周囲の空気が変わった。
得体のしれないドロッとしたモノに、身体が包まれたような感覚。身体が重く、気分が悪くなる。
『ゆ、祐真様! ご注意を!! 魔人です!!』
「えっ?」
また魔人が攻めて来たのか。
ちょっと来すぎじゃない?
俺は女神様が異世界人のために準備してくれた古城の中にいる。ここには結界が張られていて、俺たちを魔物から守ってくれるという。
だから魔人が来てもこの中にいれば安全だって思っていた。
俺は女神様の結界を信じ切っていたんだ。
「あ、あれかな?」
古城の外に出て上を見上げると、結界の上空に浮かんでいる人影を見つけた。
それがこちらに手を向けているような気がする。
……まさか、攻撃してくるのか?
でもここには結界がある。
大丈夫なはず。
いくら魔物より何倍も強い魔人でも、流石に女神様の結界を壊すなんてことは。
──刹那、闇が辺りを包み込んだ。
上下左右の感覚がなくなり、立っていられない。
どれだけ経っただろうか。
数分経過した感覚もあるが、ほんの一瞬だった気もする。
闇が晴れた。
とりあえず、
「……あ、あれ?」
周囲の前の状況が信じられない。
「お城が、なくなっちゃったんですが」
俺がクラスメイトを待つための拠点が、跡形もなく消え去っていた。
城どころか地面すら消えている。
古城が建っていた地面は大きく球体状に抉れ、俺はその最下部にいた。
まるで俺が権利化した闇属性の最上級攻撃魔法、
【お知らせ】
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
『第1章 第1部 特許登録編』はこれで完結です。
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引き続き『第2部 魔法学園編』の投稿をしていきます。
明日からは夕方19時頃に投稿しまーす。
クラスメイトを待つ拠点が無くなってしまった主人公ユーマが旅に出でる物語。
ハーフエルフの美少女を助けてたり、魔法学園に編入してみたり……。
ファンタジー作品お約束の展開モリモリでお送りします!!
ユーマは無事、クラスメイトたちと合流できるのか。
彼を攻撃した魔人の正体は!?
今後もご愛読、よろしくお願いしまーす!
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