俺の幼馴染の彼女を俺の友人が奪ったので俺としては.....

アキノリ@pokkey11.1

第一章 落ちゆく精神

燃え尽きた

第1話 ズレていく心

彼女が男に寝取られるとはどういう事を意味しているのだろうか。

だけど恐らくだがそれは、今、という事実を知った。

俺は用事があると俺よりも先に帰った目の前の友人の長門優(ながとゆう)を見る。

そして絶望していた。

何故かといえば簡単である。


黒髪の短髪で眼鏡を掛けている奴だが。

褐色な肌をしている格好良かった運動の出来る友人と思っていた奴だ。

まあ今となっては最早恨みしかない。

最低だと思える行動をしているから、である。


その少年を見てから横に居る俺の幼馴染の遠山嫁子(とおやまよめこ)を見てみる。

顔立ちは小さい。

だがその分、顔立ちが完璧な美少女。

大人びている笑顔の絶えない良い女の子だった。

俺の彼女であるのだが。


そんな2人がまさか浮気.....とは。

奴の学校帰りに違和感を感じて付いて来たが。

嫁子の事に関しても俺に対して、私はその。用事がある、と文章を送ってきていたのが怪しかったから付いて来たのだが。


人が居ない暗い人気の無いベンチで優がリードして嫁子にキスする様な形で接している感じである。

誤解とかそういうのかと思ったがこうなった以上はちょっと考え辛いだろうな.....。

最悪だわ。


俺は目の前の2人を嫌悪する。

そして踵を返してその場を早足で去る。

学校の規則で学校に隠して恋愛しているのが仇になったな。

それから周りに知らせてないのも仇になってしまった。


因みにこの場所だが公園だ。

何というか不埒だなアイツら。

思いながら俺は額に手を添えてそれから歩いていたが。

憎悪が消えないんだが。


「こういう時は一刻も早く家に帰るべし、だな」


そんなくだらない事を呟きながら青空を見る。

全くな.....すっかり嫁子もそうだが優にも騙された。

思いながら俺はまた青天井を見る。

彼方の方に入道雲か何か黒い影が見える。

雨が降りそうだが.....そういうのが今はあまり考えれない。


「はぁ」


溜息を盛大に吐きながら俺は重苦しい足を動かして何とか家に帰った。

それから、お兄ちゃん、と笑顔で寄って来る俺の妹を払い除ける。

今はすまん。用事がある、と言いながら。


そして自室に入ると丁度.....心を浄化する感じで雨が降り出してきた。

アイツら濡れてしまえば良いのに、と思うが。

まあ愛愛傘でも持っているだろうしな。

うわ.....吐き気がする。


「.....」


ベッドに、枕に頭を埋めながら顔を上げてゆっくりと空を見上げる。

外はそれなりに暗い感じであった。

制服も洗濯物も全く乾かなさそうな感じだ。

まあ天気に左右されなくても干さないが。

俺の心は濡れたい気分だが。


「濡れたところで重苦しい空気は晴れないだろうけどな.....まあ」


そんな自嘲した言葉を吐きながら俺は制服のネクタイを取る。

床に置いた。

というか思いっきり床に殴り捨てる感じだ。

そして、ったく、と思いながら天井を見上げる。

しかし恋愛禁止、か。


俺が周りに浮気の事を話してしまえば何もかもが解決するだろうけど。

学校を俺も退学になるだろうな。

俺も校則違反していたし。


「クソッタレだな。どうしたものか」


そんな感じで呟きながら居るとメッセージが入った。

それを見るとそこには嫁子からその。

メッセージが入っていた。


雨、大丈夫?、と聞いてきている。

俺は流石にその文章に思いっきりキレそうになった。

制服のブレザーを荒っぽく脱いでから床にバァンと叩きつける。

この野郎。


「何が大丈夫だ。大丈夫じゃねぇよコイツ」


俺はイライラしながらスマホを破壊する様に文字盤をタップする。

それからそのままエンターキーで送信した。

取り敢えず、大丈夫じゃない、と送る。

すると、え?何が.....?、と来た。

コイツという奴は察しが悪い.....、と思いながらベッドから起き上がる。


(お前には何も分からない。俺の感情なんて)


(何も分からない?.....え?それはどういう.....?)


(さあな。俺のイライラを当ててみろ。面白いかもだぞ)


(え?、え?)


本当に意味が分からない様なすっとぼけた感じ。

俺はまたモヤモヤしてイラッとした。

そして今度は椅子を蹴っ飛ばす。

このイライラはどうしたら良いのだ、と思う。


(分からないよ。何でそんなにイライラしているのか)


(そうか。分からないか。もう良いけどな。お前とは別れる)


そして俺は断言した。

お前とは幼馴染の縁も切る、と。

すると何が起こっているのか分からない、という感じで思いっきり慌て始める嫁子。


俺は、お前が何をしたか心に手を添えて考えろ、と送る。

すると数秒間が空いて。

こう来た。


(ま、まさか)


(それだな。お前のハッとしたの。それがビンゴだ。お前もそうだが優も全てクズという事だ)


(ま、待って.....あれは誤解なの!ちょっと待って!)


(誤解ね。それは裁判にかけて無実が証明されるかな?ギルティだわ)


俺はそんな言葉を読み上げながら送信する。

それから連絡帳もろともブロックしたり消した。

もう関わり合いを持ちたくない。


思いながら俺は頭を抱えていると。

インターフォンが鳴った。

まさかと思うが、と思いながら玄関に向かう。


すると傘を折り畳んでから穏やかな顔のボブヘアー。

失礼かもしれないが女子というよりかはお婆ちゃんの様なイメージの滝宮結菜(たきみやゆいな)が立っていた。

もう1人の幼馴染であり嫁子にとっても幼馴染である。

一纏めにすると穏やかな感じの黒髪の少女。


「結菜?どうしたんだ」


「お菓子作りすぎちゃった。だからまあ持って来たんだけど。まあ雨だからねぇ」


「そうか」


その言葉に結菜は、?、を浮かべて俺の顔を覗いてくる。

無駄に美少女だから赤くなってしまう。

何をしているんだ、と聞く。

すると、何か不安げな顔をしてる、と俺に困惑の顔を浮かべる結菜。


「お姉ちゃんに話してみなさい」


「何もないって。まあその。お菓子有難うな」


そんな会話をしながら俺は抉れた心を何とか癒す。

結菜は、そう?なら良いけど、と悩む様な感じを見せた。

俺はその姿に、ああ、と苦笑する。

結菜まで巻き添えにする訳にはいかないな。

さてどうするか.....。

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