ハンディキャップで大逆転!?〜ADHDが転生したら最強スキルになった〜

@kentye1027

第1話 はじまり

「おい!青山!お前何回言ったらこの書類提出すんだよ!とっくに締め切りすぎてんぞ!」

上司の怒号が事務所に響く。


「すいません!今日中には提出します!」

苦し紛れの回答でその場を凌ぐ。


俺の名前は青山総一朗。いわゆるADHDだ。

昔から締め切りを守ること、じっとしていることが大の苦手で、物忘れや所持品の紛失は日常茶飯事。


そんな自分が嫌になることもよくあるが、世の中にはもっともっと重度な発達障害に悩んでいる人も多く存在している。

だから俺は俺自身のADHDを『ハンディキャップ』と脳内変換をして毎日を過ごしていた。


ハンディキャップ、我ながらいい変換だ。

病気を前向きに捉えられている。こんな性格に育ててくれた両親に感謝だななどと考えてるうちに、書類のことをすっかり忘れ

「外回りいってきまーす」と、事務所をあとにした。


何件かの営業先をまわり、ふと書類のことを思い出す。帰ったらやらないとな、、、と考え出した刹那。

猛烈な痛みが体中をおそった。


赤信号かよ、、、、くそ、ハンディキャップ、、、

俺の意識はそこで途絶えた。



「.....一朗、総一朗!」

きれいな声に起こされ目を覚ますと、そこは真っ白な空間だった。


「あれ、、、俺さっき車にひかれて、、、」


「目を覚ましたようね」


顔をあげると、金髪長髪に白い服。見るからに女神という女性が目の前に鎮座していた。


「あの、俺は一体、、、ここはどこなんですか?」


「動揺するのも無理はないわね。私は女神。」


自分で女神って言っちゃったよこの人。しかもまだきいてないし。

でもこの状況からするに本当のことなんだろう。


「あなたはね、不注意で信号無視をして車にはねられて死んだのよ。ここは言わば生と死の狭間の世界」


「はぁ、、、」


「私、あなたのことが気に入ったの」


「は?」


「だって、そのwwwハンディキャップってwwwいい歳こいた大人がwww中2かよwww」


「っな!!人の心読んだんですか!!?」


「そりゃぁね、私女神だし。にしてもwwwwハンディキャップってwwwなんの捻りもないwww」


恥ずかしさと怒りで頭が狂いそうになる。


「そこで!私あなたを転生させることにしたの!」


「は?まてまて意味がわかんな」


「じゃ、転生先は魔王軍の侵攻に苦しむ王国の勇者ってことで!がんばってね〜」


ちょっと待て、といい終える間もなく俺は眩い光に包まれて転生をすることとなった。

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