第51話 アーレル達の休息? 後編

翌朝、冒険者ギルドに向かうと、冒険者達がアーレルを見てボソボソ話している

「アーレルさん、ギルドマスターの部屋へどうぞ、セリーナちゃん、魔導書も用意しますね」

職員が笑顔で言うと、セリーナ達を連れて行き、アーレルが苦笑いしている


アーレルが職員の案内で部屋に入ると、冒険者ギルドマスターが待っている

「アーレル殿、次はどの迷宮に向かうのか? サリー殿の町ですか?」

ギルドマスターが笑顔で聞く

「ベルグレスの村が候補かな? 確か潰しても良い迷宮が有ると…」

アーレルが思い出しながら言う

「ベルグレス村? あの村は現在食糧不足ですが…教会から神官騎士達が派遣されて討伐中です…近付くのは良くないと思います」

冒険者ギルドマスターが説明している


神官騎士か…面倒だな…そうすると…どこに向かうかな?


「ラクセリオの町に向かわないのですか?」

冒険者ギルドマスターがアーレルを見ている

「サリーに迷惑だろ? 折角冒険者を謳歌しているのだから」

「ベリクロスの町はどうだ? 教会が多くの冒険者を集めた所為で冒険者が足りないと言っていたが…」

冒険者ギルドマスターが説明している

「は? ベリクロスには、クレア達がいる筈…」

「昨日ウルソンの町からアーレル殿に手紙が来ていたぞ」

冒険者ギルドマスターが手紙を差し出すと、アーレルが手紙を見て苦笑いする

「見たくないな… 」

アーレルが苦笑いしている

「内容は魔物の調査の依頼と書いてあったが…何か問題でも?」

「冒険者ギルドの怠慢だ! 何組も失敗しても調査せずに、放置していたからな! クリスタルホーンウルフが近くの森まで来ていても気付いてなかったからな…」

アーレルが嫌々そうに説明している。冒険者ギルドマスターが考え込んでいる

(魔物の分布変わったなら調査必修だが…アーレル殿に手伝わせるのか? 良いのか? 無双するのは解っていても…内容が気になる)


冒険者ギルドマスターが手紙を見ながら考え込んでいる

「手紙の内容を確認しても良いか?」

「見る気も無いから、好きにしてくれ」

アーレルが苦笑いしながら言うと、冒険者ギルドマスターが手紙を開けて読み始め頭を押さえている


「内容は理解した…アーレル殿に頼むのも良くないな…王都に知らせて、対応を協議も必要な案件だな…タイガーが確認されたなら、Aランクの冒険者グループを数組集めないと無理な話だ…それを気が付かず放置とは…このギルドマスター大丈夫なのか? 今度の王都での会議で伝えるが…」

冒険者ギルドマスターが少し呆れ気味に言う

「巻き込まれたくない! どこに向かうか…セリーナに相談だな…」

アーレルが考え込んでいる

「少し骨休めも必要だろう? 迷宮が無くなったから冒険者達が他の依頼を片付け始めているが…それぞれ町に向かうだろうから…3日はゆっくりしてくれるか? 冒険者達と一緒に向かった方が、冒険者達が安心するだろう」

冒険者ギルドマスターが笑顔で言う

「利用するつもりか!!」

「利用もするが…アーレル殿からしても良い話だぞ! 人の数が多ければ、賊も襲ってこない! 夜の番も少なくなるぞ! 子供達と相談してくれ」

冒険者ギルドマスターが笑顔で説明している


アーレルとギルドマスターが別の部屋に向かうと、セリーナ達が魔導書を読んでいる

「御父様帰りますか?」

セリーナが気が付いてアーレルを見ている

「今日はゆっくりして良いぞ…勉強になっているか?」

「良い魔導書です。 魔法を試し撃ちしたいぐらいです」

ミーナが微笑みながらアーレルを見ている

「それならば魔法練習場ですると良いです」

冒険者ギルドマスターが笑顔で言う

「え? 破壊しますが良いですか?」

ミーナが笑顔で言うと、セリーナ達が笑っている

「破壊? 簡単には…しないですよね?」

冒険者ギルドマスターがアーレルを見ている

「建物なんて木っ端微塵だな…更地にしても良いか?」

アーレルが笑顔で言うと、冒険者ギルドマスターが驚いたようにアーレルを見ている

「ミーナお姉ちゃんは、怒ると溜め池が出来ます」

セリーナが笑顔で言うと、キリーア達が頷いている

「は? まさか…魔法練習場消し飛ばすのですか? それは止めて欲しいですが…」

冒険者ギルドマスターが苦笑いしている

「御父様、良い魔導書が有るなら、先に教えて下さいね、迷宮で試したいと思います」

ミーナが笑顔で言う

「そうだな…3日は足止めされそうだから、ちょっと魔導書の写しでもするか?」

「はい! 嬉しいです」

ミーナが笑顔で言う

「ラドルス、ケント、キリーア、リーシア暇だろう? 鍛練でもするか?」

アーレルがラドルス達を見ている

「何処で?」

ラドルスが驚いたようにアーレルを見ている

「裏の鍛練場を3日貸してくれるそうだ」

アーレルが冒険者ギルドマスターを見ている

「好きにしてください、他の冒険者にも開放します」

冒険者ギルドマスターが笑顔で言う

「ラドルス鍛練に向かうぞ!! レニスはついでにこの国の情報を教えてもらってくれ」

アーレルが笑顔で言うと、部屋を出ていき、キリーア達もついていく


「ギルドマスター成功ですか?」

職員が微笑みながら聞く

「ひとまず…毎日おやつで釣ってくれ」

冒険者ギルドマスターが笑顔で言うと、ミーナが驚いたように冒険者ギルドマスターを見ている

「良いですけど…材料費等は?」

「すぐに予算から出しておく…1人で大変ならすぐに手伝いを集めるが…」

「パイを焼いてきますが…ここの担当は?」

職員が微笑みながらギルドマスターを見ている

「交代が来るまで見ておくが…」

「人前で話す内容ですか? 御父様の足止めの話しなんて、聞かれて良かったのですか?」

ミーナが苦笑いして冒険者ギルドマスターを見ている

「苦労を知って欲しいからな…名声を求めない冒険者を説得は難しい…数日は足止めしたいから、協力を…」

「魔導書を貰えるなら考えます」

「大丈夫か?」

ギルドマスターが職員を見ている

「迷宮が無くなったので引っ越しも有るでしょうから、この程度の魔導書なら譲っても良いと思います…元々良い魔法使いが現れたら譲る約束してましたから…」

職員が微笑みながら説明している

「セリーナちゃん欲しい魔導書も考えましょうね」

「はーい、ミーナお姉ちゃん! フィーネちゃんも欲しい魔導書探そう」

セリーナが嬉しそうにフィーネを見ていると、フィーネも嬉しそうにセリーナを見ている。ギルドマスターが微笑みながら見ている

(これなら、足止め成功しそうだが…何か見落としているような…)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る