第11話 ポーション作り

翌日、アーレル達は道具屋に向かう

「瓶は集まっているぞ」

道具屋の主人がアーレルを見て笑みを浮かべている

「ポーション今日売り切れたか?」

「昨夜から冒険者が買って行ったぞ」

主人が笑顔で言うと、離れ家の工房に向かう


「セリーナ、フィーネに手伝い方を教えてくれるか? 準備をするから」

アーレルが材料を買いに向かうと、セリーナが瓶を洗い始めて、フィーネも一緒に洗っている


「材料をこの頃取れなくて有るか?」

アーレルが主人に聞く

「沢山持っていってくれ・・・ポーションの買い取り価格から後で引いて引き取る」

主人が笑顔で言うと、主人の案内で倉庫に向かい、アーレルが迷宮産のアイテムや薬草類を持って工房に歩いていく


アーレルが錬金術を使い始めると、フィーネが手を止めて見惚れている。アーレルがポーション作り終わり、フィーネを見てからセリーナを見て

「瓶の準備終わったか?」

アーレルがセリーナに聞く

「この数で足りますか?」

セリーナが並べていると、フィーネが慌てて、瓶を見ている

「詰め込むよ」

アーレルが瓶に液体を移していき、セリーナが瓶の蓋をしていく


アーレルはすぐに次の準備を始めながらフィーネを見ている

「フィーネ、錬金術は魔法の基礎と薬の知識と錬金術の種類をしっかり覚えれば出来るから、いつかフィーネにも手伝って貰うぞ」

「本当ですか? ポーション作れるようになれますか?」

「本職には勝てないがな」

「本職?」

「錬金術士は、上級やエクサリーなども作れるぞ、ポーションなんて作らないかも知れないが…」

アーレルがフィーネに錬金術の事を話していると、フィーネが興味津々に聞いている


瓶が無くなるとポーション作りを終わらせて残った薬草等を持って主人の元に向かう

「終わりか? 残ったのか? 数を数えてしまっておく」

主人が笑顔で言うと、薬草を数えてから倉庫にしまい、工房に向かう

「は? この量…瓶が無くなったからやめたのか?」

主人がポーションを鑑定しながら呟くと、手が止まりポーションを見ている

「このポーション…中級か?」

主人がアーレルを見て聞く

「薬草から抽出したから、掛け合わせて何とか4本中級ポーションが作れた…本職ならもっと作れるのだか…初級錬金術ではこれが限界だな…少ないが買い取って欲しい」

アーレルが残念そうに言っている

「中級は、大銀貨2枚で引き取るが…中級なんてこの国で作れる人ほとんど居ないぞ」

「そうか? みんな作れても道具屋に売らないだけだろ? 上級なんて無理だがな」

アーレルが笑顔で言うと、道具屋がセリーナを見ている

「お父さんは、この調子か? どのぐらい凄いか自分で解ってないのか?」

「え? 御父様ですから、サリー御姉ちゃんは中級ポーション作れるよ」

セリーナが笑顔で道具屋を見ている

「サリー御姉ちゃん? …サリー!! あのラクセリオの町に現れた天才錬金術士サリー様か? ちょっと待て! サリー様を知っているのか!!」

道具屋の主人が慌てて叫びセリーナを見ている

「サリー御姉ちゃん、有名になったの? 旅立ってから手紙貰っていたけど、今もポーション作っているの? 元気にしているかな? ウル御姉ちゃんと仲良くしている? ゼリアスお兄ちゃんとか喧嘩してないかな? ルドルフお兄ちゃん怒っている? ホルドお兄ちゃん読書ばかりしてない? スケルブお兄ちゃん食べ過ぎてない?」

セリーナが笑顔で道具屋を質問責めにしている。道具屋が知っている事は答えている


「セリーナ、武器と防具買いに行くぞ」

「はい! 御父様」

セリーナが笑顔で言うと、フィーネと手を繋いで、工房を出ていき、道具屋が苦笑いしている

(あの天才錬金術士のお父さん…このポーション作れて当たり前なのか? あははは…自分の評価が低すぎる…誰かに知らせた方が…知られたら出ていきそうだな…とんでもない人に工房を貸したのか…)


古道具屋で武器と防具を選んでフィーネとセリーナが着替える

「御父様は買わないの?」

セリーナがアーレルを見ている

「この鎧を越える鎧が無いからな…派手なのも嫌いだからな…鋼の剣は欲しいかな?」

アーレルが剣を選び始め、1本の剣の具合を確認している


アーレル達は鍛冶屋に向かう

「客か? 何の用だ」

男が出てくると、アーレル達を睨んでいる

「剣と短剣の整備はどのくらい掛かる?」

アーレルが剣を置くと、セリーナとフィーネも短剣を置いている

「短剣は先端が岩に当たったのか? 剣は使い込んでいるな…これなら手直しは可能だな…大銀貨3枚だ」

男がじっくり見てからアーレルを見ている

「これで頼む」

アーレルが硬貨を出して言う

「値切らないのか?」

男が驚いている

「値切っても良い仕事してくれないだろ? 剣も掛けた場所を削るのも大変だからな」

「変わった男だな…急がないなら、大銀貨2枚で良いぞ」

男がニヤリとして言うと、硬貨を1枚アーレルに返す

「頼んだぞ」

アーレルが笑顔で言うと、鍛冶屋を出て、古着屋を覗いて必要な物を買って、宿屋に帰っていく




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る