ふくろうの刹那

石川タプナード雨郎

第1話 依頼

依頼内容を聞く前に、予め述べておく。

まず依頼内容を理解し私と契約が成立したとしても、

それは依頼内容が確実に100%遂行されるスイッチを押すという

事では無いという事。

私共は超能力者ではないので未来を予知する事は出来ない。

従って今まで培った知識、経験、技術等を総動員して

依頼を完全遂行させるよう務めるが100%確実ではない事。

予測不可能なアクシデントも起こりうる事。

故に、事前には依頼にかかる必要経費や準備等も含め

依頼料の20%しか受け取らない。

そのうえで依頼が完全遂行された時点で残りの依頼料を支払う形になる。

もし仮に依頼が完全遂行された後に依頼料の支払いを渋ったり

踏み倒すような事があれば、依頼人を100%排除する事。

ここで何故100%という事を明言出来るかといえば、

必ずしも一回で成功させる必要はないからで、こちら側からすれば

失敗はしたとしてもその行為は依頼人が死亡するまで継続して行われる。

ただ依頼は100%ではなく高確率で達成すると予想されるが

失敗もゼロではない事。

仮に失敗した場合でも後払いの30%の報酬を支払ってもらう。

また、こちら側になんらかの報復行為が認められた場合も依頼人は抹殺される。

依頼するにあたって依頼人が依頼の成功、不成功に関わらず依頼料さえ確実に

支払えばその時点での依頼人の生存は確保される。

それはどんな組織が依頼人であろうとも変わらない。

これらの事を理解したうえで依頼をするなら記されてある

メールアドレスに返信を。

依頼内容を確認し精査したうえで遂行可能か判断した上で

折り返し返信をする。     以上、 ○○○○より。 

と書かれた切手の貼られていない封書を読み終えた男は

ワナワナと震えていた、、、、

「ガキが生意気抜かしやがって!」

「時間になっても現れないと思ったら手紙だと!メールだ?」

「ふざけやがって!ワシを誰だと思ってるんだ!」

「仮にもワシは数百の組を束ねる組織のトップだぞ!」

「まあいい、表立ってワシらが動けるハズもないから

頼もうと思ったわけだが、終わったあとで踏み倒すなりゴリ押しすれば

問題は無かろう。」

「この日本にワシらを敵に回す馬鹿はおるまいて。」

そう考えて葉巻を燻らす貝沼紀夫だった。



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