地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。

兎亀 らる

第1話「感情を無くした」

両親から虐待をうけているある女の子がいた。


その女の子は母親から『あんたなんか産まなきゃよかった』と言われ続け、父親からは酷い虐待を受けていた。


そのせいで普通の子供なら泣いたり、笑ったり、怒ったり、わがままを言ったりするものだが、この女の子はずっと無表情だった。


顔を殴られても、体を蹴られても、泣くことも、抵抗することもなかった。


こんな両親なのでもうすぐ10歳になるというのに学校にも行っていなかった。


女の子はお昼の時間が1番好きだった。

お昼だけは、唯一1人で入れる時間。


朝は両親よりも早く起きないと「なんであんただけ寝てんのよ」と暴力を振るわれる。

夕方はいつ帰ってくるのかと思うと気が休まらない。

夜は両親2人とも仕事のストレスなどで暴言、暴力を振るわれる。

 


それがもう日常。


当たり前の日々だった──。

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