第20話

そこにいたのはボブの髪型に目がぱっちりとしていてまるでアイドルのようなオーラーを纏っていた美少女がいた。前世の俺の好き顔面である。まぁここに来てエマの顔が好みになったんだが。


「どうしたエミリー」


「どうしたこうしたもないですよぉー。なんでエマが離れたと思ったら他の女が近くにいるんですかぁー」


「ふぅーんお兄様につく悪い虫ですか。どうしてしまいましょう」


ルナが何か悪巧み考えている笑顔になっている。あの顔何回もゲームで見たから分かる。いきなり面倒ごとは嫌だ。どうするか。頭を撫でよう。


俺は右手でルナの頭を慈しむように撫でた。するとルナはエミリーにどや顔をした。エミリーは悔しがっている。


「俺が今愛してるのはルナだけだ。だから嫌がらせはするなよ」


「仕方ないですわ。今回は見逃しますの」


「くっずるいですよぉー。私は撫でられたことないのに」


面食いなんだからその辺のイケメンに構えば良いのになんでわざわざ俺に構うのかなぞだ。美少女に囲まれて周囲の視線がすごいんだが。すぐ女を作りやがってて視線とかが。


「そりゃルナは妹だしな」


「妹ですかぁー。ふっ」


「でも義理ですの。その辺お忘れなき用。それに私を唯一愛してくれてるですの」


そう言って二人は睨み合う。これから同級生なんだから仲良くやってほしいんだが。エミリーは知らないが、ルナの気持ちは分からなくない。捨てられた自分を愛してくれる人だから誰かのものになるのは許せないんだろう。

 

「ここで睨み合ってもエミリーは遅刻するだけだぞ」


時間を確認するとエミリーはっとした顔になる。遅刻すると担任から古式魔法で強化された拳が頭におとされるからな。それだけは嫌だろう。めちゃくちゃ痛いし。


「くっ仕方ないですねぇー。ここは引きましょう」


そう言って走って校舎に向かった。エミリーのその姿を見ていた生徒も一斉に校舎向かった。どんだけエミリーに見惚れていたんだよ。まぁ美少女だから分からなくはないが。


「それじゃ寮に行くか。エミリーゼは霊体化してくれ。エルフがいるのはトラストと違って問題ないんだが、生徒じゃないのにいるのは目立つからな。実際にこっちを目をハートにして見ていたやつがいたし」


エルフはみんな美形だが、エミリーゼはエルフでも抜きん出て美形だ。しかも人間好みの顔をしている。だからいるだけで目立つ。というか面倒なやつにナンパされかねない。その対応するのは億劫だから霊体化を頼んだ。ここの生徒に貴族も多く自分がナンパすれば庶民相手なら成功するだろうと勘違いしてるやつも多いし。


俺達はまず学院長室に向かった。着いたことを報告と書類をもらいにいくからだ。転入って形になるららしい。やがて校舎の前に着くと、ルナが感動した面持ちで見ていた。


「すごい洋風で歴史のある建物ですの。これ何100年も経ってませんの?」


俺も最初見たときは驚いたな。まるで前世で見たオックスフォード大学のようだったからな。プラスニホンの庭だからな。ここで学べると思ったときは感動したよ。


「ちょうど俺の先祖の初代が生きていた頃に建てられた」


「そんな前からですの。しかも他のところよりも結界が強いですわ」


「昔は古式魔法師を育てるから魔人や鬼人からの進行をよく受けたから入れないように強い結界を張ったんだよ。当時の陰陽頭がな」


それだけ優秀な古式魔法師を排出してるってことだろう。魔人や鬼人が手を焼くくらい。昔は実践で魔王軍ともよく戦っていたらしかったから即戦力が多かったらしい。


「そうですの。それじゃ入りますの」


俺達は校舎の中に入った。入ったら見た目どおり歴史のある感じでルナは感動しながら進んでいった。まだ入ってからそんなに経ってないから、学院長室は行ったこと無いんだよな。少しドキドキする。


やがて着いた。他のところよりも結界が強い。それだけ重要な拠点なんだろう。ドアをノックした。


「入っていいですよ」


「失礼します」


中に入ると優しげだが底の見えない強い魔力を持ったおじさんがいた。これが学院のトップ。入学式はいなかったから始めて見たが、確かにトップにふさわしいな。


「あなたがルナですね。話しは聞いております。よく今まで頑張りましたね。それでミキはよく守りました。まるで未来が見えてるかのように」


これ俺が異世界から来たことばれてねーか?勘のいいがきは嫌いだよ。ちょっと今のでいいたくなったから言ってみた。実際は勘のいいがきのほうが好きだが。


「まぁ近からず遠からずですね」


「否定はしないんですね。魔力量もさすがカヤトの子供ですね。トップクラスの魔力量を持っています。ルナもトラストで有名なだけあって相当ですね。これはアラスタの未来も明るいですね。よく学院に来てくれました歓迎します」


そして俺達は感謝の言葉を言って書類をもらって学院長室を後にした。ありゃ全盛期は魔王軍の幹部以上だな。古式魔法師を育てるには最適な人だ。


「それにしても学院長にばれてますのお兄様」


「まぁ隠してないから別にいいがな。ほとんどの人は信じないだろうし」


「昭夫さまの子孫なら転生者でもおかしくないよ。当時の王室には知れ渡っていたし。権力者ならその情報を知っていてもおかしくないよ」


王室に知られていたのか。それなら気づいてもおかしくないな。



















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