最終話 重い愛 1/2
アイドルを辞めた私が咲ちゃんとコンビニの近くで再会したのは偶然じゃない。
彼女がどこに住んでいるかは知っていたし、最近はほぼ外出していないことも知っていた。
それでもあの日再会したのは、街を歩く彼女の存在を感じたから。
もうこの頃には、ほぼ力を取り戻していたからね。
お茶の子さいさいよっ。
嬉しかったのは、彼女が私の言葉をずっと覚えていてくれたこと。
私の存在を生きる意味にしてくれていたこと。
狂喜乱舞する気持ちを抑えて、彼女を家に招いた。
咲ちゃんったら素直について来てくれちゃうんだもん。
お姉さん心配よ。
チョロすぎ。
それは置いといて。
初めて会った日、公園で咲いていた花――ライラックの香りを嗅いだ咲ちゃんは、記憶を取り戻して。
私たちは完全に力を、翼を取り戻した。
色は変わってしまっていたけれど。
きっと堕天使と呼ばれているんだろうね。
何度だって言う。
上がなにを言っていようが別にいい。
関係ない。どうでもいい。
私たちは咲ちゃんを手に入れることができたんだから。
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