蒼に捧ぐ
月雲
プロローグ
『蒼い街。蒼に守られし街。だが、決して完全に蒼くなってはならぬ。街が完全に蒼くなった日。それが街の最期と心得よ』
街にいにしえより伝えられし言い伝え、とのことである。
「へえ。ここが『蒼の街』エレミアか。聞いてはいたけど、ほんと水豊かな街だ。……周りと違って、ね」
街と外を隔てる門付近、今街についたばかりらしい旅人が軽く緑色の旅用マントをはたくと、砂埃がもうもうとあがった。
「何か全身、砂だらけって感じだね。仕方ないことだけどさ。さて、この街は一体何故この街たりえるのかな。興味深いけど、まずは宿だね」
旅人は石畳に置いていた荷物を背負うと、街の中心部へと向かって歩き出した。
今まで踏破してきた広大な砂漠に、背を向けて。
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