第16話 謎の謝罪
「もしもし。…あのさ…今までごめん」
「何が?」
「……」
何に対して謝ってるの?
こないだの優柔不断な態度?
コンドームに指輪貼り付けてるの見つけた?
それとももう別れる?
聞きたいことは沢山ある。
たくやが黙ってしまって聞けない。
「たくや、うちさぁ、しばらく会いに行くのやめる。
ちょっと離れて考えたい」
「…わかった」
たくやはそれ以上何も言わなくて沈黙の時間が過ぎる。
「…何か他に話す事…ある?」
「…いや。あの…。本当に色々ごめん。
泣かすばっかでごめん」
「さっきから何に対して謝ってるん?」
「…全部…。かおりが俺に会いたくないの自業自得やなって思って…」
「たくや、うちさぁ今回離れるのはお互いに考えるために必要なんやと思うんや。
離れてる間に、自業自得で会えないままでいいのかどうか考えてみて?
単純にたくやがうちの事必要かそうじゃないかなんやって。
確認出来んと前には進めへんから。
7月いっぱいまでに答え出して!!」
そこから時々たくやは元気にやってるかって安否確認みたいなメールをくれるようになった。
元気だよ、と簡単に近況を返事する。
うちは答え出るまで連絡も取らないでおこうって考えてたらからメールが来て、内心嬉しかった。
看護学校の最後の年は学校の単位はほぼ取れて、実習から1つ事例決めて分析してまとめて、1人15分のプレゼン。後は国試に向けての勉強。
洋介もよく似た状況でファミレスで一緒にパソコン広げたり勉強したり。
時々エッチもしながら。
洋介は大阪の病院に行く事に決めた。
彼女にもバシっと言ったよって言ってた。
さすがや。
「かおり、何か進展ある?」
洋介が手を繋いできて話し出す。
「ううん。何もない」
うちは離れてもやっぱりたくやが好きで一緒にいたいっていう気持ちは変わらなかった。
あんなクズもういい、ほかいこうって思えた方がいいのに…
「かおりってほんまに残念やな。
可愛いから他にいくらでも彼氏出来るのに。
でも、自分が好きでないとダメなんやろうな?
でもなかなかそこまで好きになれるのスゴイと思うし、俺、別れんとって欲しいな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます