第7話 確かに「笛」なら子供でも使えるぜ!
俺は今、盛大に働かされていた。もしかすると前世のほうがホワイトだったと思うほど働いていた。
「ジシュカ様。」
「どうした?」
「こんな物作って何になるんですか?」
「まあ見ておれ。いずれすごいものになるぞ。」
親父の擬問は俺も考えていたことだ。しかし、ジシュカは「片目のジシュカ」という異名をつけられて恐れられている。きっと彼なりの考えがあるのだろう。
ジシュカの注文通り、小さい大砲を百門作った。
「ジシュカ様、本当にこんなのが戦場で・・・。」
「ものは試しだ。」
ジシュカは小さい大砲を一門持ち上げた。火薬や弾丸を黙々と詰める。
「・・・。」
ジシュカここからおおよそ100m離れた鎧に標準を向けた。こんな小さな銃だと鎧に当てられても少ししか動かす程度の威力しかないだろう。ジシュカは大砲の紐を引っ張った。
「ボーン!!!!」
「よーし、これをピーシュタラ(チェコ語で笛)と呼ぶか。」
鎧は信じられないことに宙を舞った。ちなみのこのピーシュタラは、マスケット銃の起源と言われ、ピストルの語源でもあるそうだ。
俺はジキスムンド様に呼ばれていた。
「タマーシュ、準備してほしい。」
「?」
「ドラゴン騎士団をプラハに。」
「は・・・。ジキスムンド様、つまり・・・。」
「ああ、そうだ。」
ジキスムンド様は立ち上がり、高らかに叫んだ。
「ボヘミアを取る!」
俺はプラハ城の廊下を走っていた。ボヘミア王ヴァーツラフ4世が倒れたという情報を聞いた。なんでもプラハ投擲事件(第一次プラハ投擲事件のこと)で議員が投げられたことにショックを受けたそうだ。
「ジシュカ・・・、か?」
「はい、ヤン・ジシュカでございます。」
「フス派は、フス派はどうなる?」
「カトリックと戦います。」
「・・・。あいつがきっとボヘミア王の座を狙っている。」
「そんなことわかっています。」
「あいつのドラゴン騎士団の強さを知っているだろう。やめておけ。」
「もう引けません。」
「そうか・・・・・・。」
そうしてボヘミア王ヴァーツラフ4世は崩御された。
《お知らせ》
しばらく連載をお休みします。多分3週間くらい・・・。
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