291. 机上の空論
ムキーッ!
私が必死に魔王対策を頑張ってるのに、おのれ勇者めなにを悠長に婚活マッチングしてんだよ! 死亡フラグじゃんそれ! それ死亡フラグだって!
魔王を倒して世界が平和になったら俺と結婚してくれ、ってそれめちゃくちゃ死亡フラグだよ! お酒マンと言い、どうしてみんな死亡フラグ立てちゃうのかな。
しかも、私がせっかく連れてきた事務員
事務員
だから事務員
しょうがないから状況に合わせて計画を練りなおそう。なにせ私はかしこい叡智な妖精さんだからね。
それにホントに魔王が出てきても、実はそんなに大変なことにはならないんじゃないかなって思いもある。だって魔王の配下が玉に当たったくらいで死んじゃうんだから。
伝説が正しいのなら、魔王とその配下はどうやっても倒せなかったらしい。だから苦肉の策で封印したんだって。そんな強いとされてた魔王の配下が玉くらいで死んじゃうんだから、魔王も実は弱いって可能性あるんじゃない?
まぁ、玉の配下が配下の中では最弱の面汚しだった可能性もあるんだけど。でもそうだったとしても、私はどうやら妖精っていう種族特性で豪運になってるらしいからね。なにが出てきてもラッキーパンチでどうにかできちゃうかもしれない。
えーと。それで、なんだっけ? ああ、そうそう。計画の練り直しだね。
まず勇者くん。
死亡フラグは立てちゃったけど、残念ながらメンバーから外すことはできない。なぜなら勇者だから。勇者くんが勇者なのは私が適当に言ったからだけど、私の言うことは妖精の豪運補正で本当になる可能性が高い。それで魔王も出てきたんだから、勇者くんもまた勇者なのだ。
それから聖女さん。
めちゃくちゃお疲れっぽいけど、残念ながらメンバーから外すことはできない。なぜなら聖女だから。魔王対策と言えばとりあえず聖女と言っても過言ではないんだよ。
でも私が近づいても回復しないくらい疲れてるみたいだから、出発は1日遅らそうと思う。私の自動回復が効かないってことは心労かもしれないなぁ。明日になっても元気なかったら回復魔法で強制的に元気になってもらおう。
そして事務員
残念ながらメンバー除外だ。だってどこに行ったのかわからないもん。代わりの指揮者は私。まぁ問題ないでしょ。
あとはおじゃーさんとムニリーダーと、追加でこの砦にいたハンマームニ、それから通訳のムニ姫様。
行動としては、まず明日の朝みんなをドラゴンに乗せて南へ出発。の前にドラゴンの改造かな。
ここまで来て気づいたけど、魔王出現ポイントはたぶんめちゃくちゃ遠い。スピードアップしないと到着するのに時間がかかりすぎるって。今の動力源は果樹の周りにあった石だけど、金髪兄さんの結婚式で出した光の玉に変更だ。
現地に着いたらまず上空から様子見しつつ、回収した木製の玉を魔王にぶつけてみる。果樹がなくて量産できないから1発だけの牽制攻撃だ。でも魔王配下が玉に当たって死んだんだから何か効果があるかもしれないよね。それで魔王の出方を窺うんだ。
そうして魔王のタイプを見極めたら、勇者くんを果物でパワーアップ。どうやらお酒マンは私の果物を食べてあれだけ強くなったらしいから、勇者くんにも食べさせてみるのだ。それで強くなればオーケーだし、ならなくてもまぁ、現状維持。悪いことにはならないでしょ。
どうして今すぐに勇者くんを強化しないかと言ったら、魔王のタイプが不明だからだよ。
もし魔王がこちらの強さに合わせて強くなるパターンのボスなら、最初から勇者くんを強化しておくとその勇者くんの強さに合わせたボスが出てきてしまう可能性があるし。
そうなると勇者くん以外の戦力が役に立たなくなるもんね。それはヤバい。残念ながらパワーアップ果物は1つしかゲットできてないんだよ。
あとはまぁ、魔王のタイプ次第かな。
封印されてた場所は森らしいから、まさか水中タイプとかは出てこないでしょ。地上歩行型なら普通に戦えば良いし、飛行型なら勇者くんをチェケラ号に乗せて戦わせよう。
そうして、ムニリーダーとハンマームニを突撃させて、聖女さんの結界の中からおじゃーさんが魔法を連射。勇者くんは……、なんか良い感じに動く。ダメージを受けた場合用に後でポーションも配っとこう。
で、その間私は魔王の被害にあってるだろうムニ国の国民たちの救助だね。
それからたぶん、魔王の攻撃は魔法特化タイプか魔法と物理攻撃の併用タイプなんじゃないかな。だって伝説だと世界を焼き尽くしてるし、少なくても炎攻撃はしてくるとみて間違いない。
でも聖女さんのすごい結界と私の回復魔法があればなんとかなるんじゃないかな。よしよし、なんかいける気がしてきた。
じゃぁ明日に備えて、ドラゴンの改造だ!
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