148. 転移陣
これであと1つ。本当は王都内に設置したかったのだが……。
王都地下から魔剣を奪った後、再び王都に戻って諜報や工作を行う予定だった。しかし普通に王都に入ろうとしたのだが、街門で止められ危うく捕縛されるところだった。
一瞬しか見えなかったが、門番が確認していた紙に俺の似顔絵が描かれていたのが見えた。何故だか分からないが俺の顔がバレている。透明化できることもバレているのだろう。とっさに透明化して難を逃れようとしたが、泥水を撒かれてしまった。
泥水を被ったところで魔道具が泥水を俺の一部と認識すれば被った泥水ごと透明化されるのだが、透明になるまで一瞬のラグが生じてしまう。その隙に捕まってしまう可能性があったため咄嗟に転移を使ってしまった。これで俺が使える転移はあと1回。残り1回は決戦時に残しておきたい。
王都に入るだけならやり様はいくらでもあるのだが、どこまでバレているのかが分からないからな。一体全体何故バレたのかすら分からないのだ。再び王都に入るのはリスクが大き過ぎるだろう。転移はバレていないと信じたいが、はたして……。
最後のポイントに辿り着いた。後はここにこれを設置すれば大規模転移陣の完成だ。これでここに軍隊を転移させることができるようになった。
魔物を転移させれば再びスタンピードを起こすことも可能だ。膨大な魔力が必要だが問題ない。魔力など実験体からいくらでも搾り取れるのだからな。我が師であれば伝説の魔物であるドラゴンの召喚も可能かもしれん。
くくく……、決戦中に突然目の前に敵軍が現れる恐怖を味わうが良い。それとももう1度スタンピードが良いか?
さて、最低限の仕込みは終わった。あまり長居すべきではないだろう。決戦までは身を隠しておくか。
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