058. 報告内容
ふむ、王国からの伝書鳥か。定期連絡にはまだ早いが、何かあったのか?
ワシは時期外れの伝書鳥に取り付けてある筒から、報告の紙切れを取り出す。む、今回はやけに紙が大きいな。どれどれ。
「ああ、愛しの妖精殿……。なんだこれは!? ふざけておるのか!?」
いや、落ち着け。わざわざ伝書鳥まで使ってお遊びの紙屑など送ってはこんだろう……。であれば、これは暗号か?
ワシはざっと、ふざけた文章に目を通す……。要約すると、妖精は素晴らしい、王国の北側バスティーユ領も負けじと素晴らしい、ぜひお越しください。……ぬぅ?
帝国内で主に使用しておる暗号には該当せんな。暗号ではないのか? では、ただ伝えたいことを隠しておるだけ?
文面だけ見ればふざけた文章だが別の意図を含んでいるとすれば……、妖精は危険、王国北側のバスティーユ領で何かが起きている、至急調査されたし、か?
バスティーユ領と言えばあの馬鹿な公爵の領だな。いったい何が起きておるのだ? 王都の間諜どもに連絡を取りたいが……、わざわざこのような文章で送ってきたのだ。こちらの動きがバレたということはなかろうが、以降は不用意に連絡を取らん方が良いかもしれんな……。
しかし、バスティーユ領を調査させるにしてもリソースが足らぬ。第一皇子派の奴らにやらせるか? いや、もし第二皇子派にとって致命的な何かが起きていれば、第一皇子派が付け入る材料となってしまう可能性がある。
リソースは足りぬとも、我が陣営で調査するしかあるまい……。クソ、王都と連絡が取れぬようになるとは、この先やり辛くなってしまったな。
まぁ、王都には毒も放ってある。滅多なことは起こらんだろう……。
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