嘘つきだらけのデスゲーム

華ノ木

第1話 始まり。


「一体どこだここは?」


俺は確か夜風に当たりたくてベランダに出たはずじゃ⋯⋯⋯。でも気づいたらここになんて。何があったんだ?


周りは奇妙なほど白く、そして真ん中には嫌にでも目に付くモニターらしきものがあった。


そして、辺りを見回すと何人かの人が目に入った。

どうやら自分が最後に目覚めたようだ。


「金城!」


「ん?もしかして涼音か?」


懐かしい声に導かれるように振り向いた金城正志は幼い頃から過ごしてきた幼馴染に声を掛けた。


「そう!水野涼音だよ。最近というか高校以来ずっとあってなかったよね!まあそれはそれとして金城も起きたらここに居たって感じ?」


「ああ、涼音も同じなのか?」


「うん。私たちの他にも何人か居るけどみんななんでここにいるのかは知らないみたい。」


「そうか。今のところ何人いるの?」


「金城を含めたら13人。他に知り合いは居なさそう。」


「そうか。でも知ってる人が居て良かったよ。」


「ね。ずっと会えなかったから嬉しいよ。でも何してたの?いきなり遠くに行っちゃって。寂しかったんだよ!」


「ごめんって。」


「もう!でも会えて良かったよ。」


「そうだな。」


「2人ともいいか?嬢ちゃんには言ったが俺は寺島攻って言う。歳は39だ。まずは兄ちゃんの名前を教えてくれないか?」


「金城正志、21歳です。」


「そうか。ありがとう。一応あそこで複数人で固まってる。一人がよかったり嬢ちゃんと一緒にいたきゃ別にいいが良ければ俺らと協力してここから出る方法を探さないか?」


「金城どうする?私はいいと思うけど。」


攻さんの言う通りにみんなで協力した方がここから出られるかもしれない。ひとまずは協力していいだろう。


「分かりました。僕達も協力します。」


「ありがとう。他の奴らにも紹介しておきたいから着いてきてくれ。」


周りを見渡しながら歩いていると明らかに高校生位の人や、俯きながら何かを唱えている?人も居た。本当に男女構わずいるようだ。


「協力してくれる人は俺を含めて5人。ひとまず他の4人を紹介しよう。」


「じゃあ僕からしよう。名前は響勉。26歳で会社員だ。よろしく。」


「飯田美海、歳は秘密だよ!よろしくね!」


「私は天音ひとみ。22歳です。服を作ってました。」


「⋯⋯和田咲人。30。」


「咲人は俺の後輩だ。喋るのが好きじゃないみたいだからな。嫌ってる訳では無いんだ。次は君たちだな。」


「金城正志です。歳は21。よろしくお願いします。」


「水野涼音です。金城と同じ21歳です。よろしく!」


「ねーねー2人って知り合い?」


「そうですね。幼馴染ってやつです。最近は会ってなかったんですけど。」


「そうなの!?幼馴染っていいよね!付き合ってるの?ねぇねぇ!美海姉さんに言ってご覧よ!」


「いや、付き合っては⋯⋯⋯」


「美海さんしつこく聞くと嫌われますよ。」


「それは困る!ごめんね。ついつい漫画みたいな展開で気になっちゃった。」


「⋯⋯いえいえ、大丈夫ですよ。というか涼音?なんで不機嫌そうなんだ?」


「べっつにー!不機嫌じゃないし!」


「思いっきり不機嫌じゃん。癖がでてんぞ。」


「金城きらい!」


「ごめんって。」


「あらあらあら。仲のよろしゅうことで。」


【皆さん目が覚めたようですね。】


「全員モニターを見るんだ。お前が俺たちをここに集めたのか?何のためだ!」


フクロウのお面?一体なんなんだ?


【そう急がないでくださいよ。寺島攻さん。】


「お前が俺たちをここに連れてきたんだろう!早く帰すんだ!」


【いやいや、私はただの案内人。森の賢者ことフクロウですよ。】


「何を言っ⋯⋯⋯⋯」


「意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ!ぶっ殺すぞ!」


金髪のいかにも不良らしき男がモニターのフクロウに向かって怒鳴り散らした。


【おやおや桐ヶ谷迅くん。そんなことを言っては行けませんよ。】


「うるせぇクソ鳥風情が!とっとと帰らせろや!」


【⋯⋯⋯⋯⋯。】


何も言わない。いや、考えているのか首を傾げている。


「なんだ?ビビってなんも言えねぇのか?雑魚鳥がよ!」


【恐喝、強姦、細かいのを除けばこんなものですね。】


「何がだよ!」


【あなたの罪ですよ。】


「なっ!?」


【まずは重要なルールをひとつ言いましょう。あなた達は『罪』を知られた瞬間ゲームオーバーです。】


⋯⋯⋯『罪』まさかこいつらは俺の秘密を、『罪』を知っているのか?待てよ?まさか全員に『罪』があるのか?涼音にも⋯⋯⋯。


「何が罪だ!全部デタラメだ!」


【まだこの期に及んで。⋯⋯そうですね。『罪』を知られたものの末路をお見せ致しましょう。】


「今度は何「パァン!」⋯⋯」


「うわああああああああ!」


「きゃあああああああああああああ!」


モニターの枠から出てきた銃が彼の脳天を撃ち抜いた。


【はいはい皆さん落ち着いて。ああなりたくはないでしょう?】


「⋯⋯⋯⋯」


「⋯⋯⋯ひ、人が⋯⋯。き、金城。」


「今は喋るな。何されるか分からん。」


【よく出来ました。プログラムは複数ありますがこのルールは全てにおいて共通するルールですので気をつけましょう。では何か質問ある人。⋯⋯⋯ではそこの男性さん。何かありますか?】


これだけは聞いて置かないと。


「金城?」


「正志くん!?」


「これだけは聞かなければと。フクロウさん。ここから何人生きて帰ることが出来ますか?」


【さあ、それはあなたたち次第ですよ。他になにかありますか?】


「⋯⋯⋯⋯。」


【ないようですね。では早速1stプログラムを開始しましょう。あちらの部屋へどうぞ。】


⋯⋯いきなりドアが現れたぞ。どうなってるんだ?


【それではご武運を祈ります。】

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