第30話

「亮介!メールしてんの?」


「そ。彼女に」


「へぇーなんか同棲したらしいじゃん」


最近、亮介くんが誰かと話してるのが目につく。今までも話してたけど、今はうっとおしい。休憩なんで一緒なのよ。


「そうだよ」


「お前実家だったから、彼女の家にいるわけか」


「もちろん」


「金どうしてんだ」


「…あ、そうか。忘れてた。帰ったら話す」


「はぁ?お前ヒモ?」


「…そう、なるのか?稼ぎ俺の方が悪いし?」


「うけるじゃん!よ!ヒモ亮介!」


「別になんでもいいけど」


大学の教授なわけない。あれは学生でしょ?親の借りたいい部屋に亮介くんを入れてるってか?ばかばかしい。


「な。お前の元カノ。彼氏がおっさんらしいじゃん」


「いや、違うと思うけど」


「噂だと、苗字呼びらしいよ?」


「…そうなの?」


ひどすぎる!なんで言わないの?自分ばっかりいい気分になってる。

そんな私の気持ちをよそに、


「絵里ちゃん、彼氏の写真ないのかしら?私見てなくて」


安菜あんなさんにまで噂が…嫌すぎる。


「ないです」


「どんな彼氏なの?私、知りたい!」


めんどくさい…。


「普通です」


「教えて!絵里ちゃん」


…はぁ。藤谷くんのせいでめんどくさい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る