『失恋後　女二人で　海の家』

　　　　　　桃もちみいか作

　友達が失恋して、海に行きたいと言ったので、千葉の九十九里浜まで行った時のことです。

　夜中に車を走らせ、朝方に海に着いたけど、海の家もまだやってはおらず。

　でも、もうちらほらと人の姿はありました。

　いちゃいちゃしているカップルを尻目に、砂浜で女子トークが盛り上がりました。

　白い砂浜……ではなく茶色い砂浜、透明度の高い青い海……ではなくちょっと茶色く濁った海でしたが、最高のロケーションです。

　入道雲に青く青く澄んだ濃い綺麗な空、海の潮騒の音、打ち寄せる波の白さ……。

　ずっと眺めていても飽きません。

　失恋してすぐに心の切り替えなんか出来ないけれど、彼女が海の家で楽しそうに写真を撮っていたので、海に来て良かったなと思いました。

　海の家で焼きそば以外に、鯵のなめろうとかお刺し身を食べましたが、すっごく美味しくてびっくりしました。

　あんな新鮮で美味しい鯵は初めて。

　私は運転だったので飲みませんでしたが、友達が豪快に飲んでるビールが羨ましかったです。

　でもご当地サイダーも美味でした。

　失恋したら明るい時間の海に行って、景色とグルメを楽しんでデトックスして、涙と心の疲労を洗い流すのは良いですね。

　ただ、美しい夕陽の後は、すっかり真っ黒く映る海はちょっと怖くて。

　遠くの漁船の漁り火は綺麗ですが、舟幽霊などのオバケでも出て来そうで、早く立ち去りたくなりました。Σ(´∀｀；)

　　　　（2023年７月６日記）

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