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月末の役員や部門長による会議に岸部長が出席し、宮本副部長は資料室に行っている。

パートの人達と黙々と作業していると、私の電話に内線で電話が掛かってきた。




「はい、花崎です。」



「岸です。麻美さんがこの前作ってくれた資料なんだけど、麻美さんから説明してもらえる?」



「はい、今から行きます。」




パートの人達に声を掛け、1階上の副社長室へ向かう。

大きな扉をノックすると、すぐに顔見知りの秘書の男性が扉を開けた。




「失礼致します。経理部の花崎です。」




お辞儀をして顔を上げると、役員や部門長がズラリと並んでいる。

その中で、虫1匹も殺せないような顔で、笑顔を貼り付けている結城部長・・・。




そんな結城部長を一瞬だけ見てから、私はピンヒールで歩き出す。




少しだけ、ピンヒールの音が響く。




その規則正しい音が、私を冷静にしていく。







役員や部門長が私だけを見る中、わたしはゆっくりと全員を見渡す。





そして、ゆっくりと、口を開けた・・・。





「こちらの資料のデータでございますが、直近3期分の後期の会計データにより・・・」





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