【Date:AY127.10.4 xsEelE3h REC by NearxsEelE3h】

 今日は人間に体があった頃に来ているんだ~。人間がいっぱい行ったり来たりしていて、大きな建物に出たり入ったりしている。

 にゃーちゃん、昔の人間って大きいねぇ。

 自分で歩くと遅いよ。でもわたしも歩いてみた■な。

「組成しますか」

 そうだなぁ? どうしようかな。

 でもわたしはもともと体を持ってないし、いらないかなぁ。

 それにしても人間がいっぱい。目が回りそう。ぐーるぐる。こんなにいっぱいいてどうするんだろう? みんな違う人間なのかな?

「この時代は全ての人間が異なる魂を保有しています」

 そういえば今は人って何人くらいいるの。

「現在のこの国の人口は2万9931人です」

 ふうん? それって多いの?

「ここ30年ほどは2万5000から3万2000程度で推移しています」


 そっかぁ。ヒトは何人くらいいるの?

「私と同様の個体は人と同数です」

 にゃーちゃんはわたしが死んだらどうするの?

「ヒトの集合に戻ります」

 にゃーちゃんがわたしよりはやく死んじゃったら、あたらしいにゃーちゃんがくるの?

「そうです」

 そっかぁ。でもわたしは今のにゃーちゃんがいいな。

 ううん、にゃーちゃん疲れたから帰る。じゃぁ寝るね。おやすみなさい。

 ……ねぇにゃーちゃん。寝なかったらどうなるのかな。

「ゼーレの脳から眠たいという信号が分泌され続けます。分泌を止めることもできます。試しますか?」


 うーん、どうしようかな。ねえ、にゃーちゃんは寝るの?

「寝ません」

 そっかぁ。

 にゃーちゃんはわたしが寝てる時なにしてるの?

「ゼーレを観測しています」

 そっか。ううん、やっぱり眠たいからねるね。

 おやすみなさい。

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