【Date:AY127.3.2 xsEelE3h REC by NearxsEelE3h】
にゃーちゃんお外いきたい。森とかいうやつ。
前見たのと違うとこがいいなん。
わたしの世界が緑色に切り替わる。
そうそう森。森って大好き。いい匂い。こういうのが緑の匂いっていうんだよね、確か。思わず楽しくなっちゃう。少し歩くと、開けて透き通った湖が現れた。
ねぇ、にゃーちゃん、これはどこの森? きれいなお水が一杯だねぇ。
「これは19世紀末の
にゃーちゃんの声もとても好き。ふふん。
透き通り緑がかった淡い青の水面に風がそよいで、ゆらゆらと波紋をたてていく。
その下で月の光のような、まるで時が止まったかのような白灰色の倒木を15センチほどの鈍い灰色をした魚の群れがつついている。通り過ぎる風が作る波紋の影が魚にかかってシマシマができている。
ふうん、長い名前。ここにしかいない魚なんだね。
どんな味?
んんうぇ。なんか生臭い。いつものご飯のほうがいいな。
そう思うと、お魚の味に代わってにょろにょろといつものご飯の味を感じた。
そうそう、こっちのほうが美味しい。ふと目を移すとその魚を狙う
あなたもご飯が食べられるといいね。
世界は広い。そう、世界には色々なものがあるの。
わたしが今見た森の他にも山とか海とか、川とか。そういうところを見に行く。ふふふん。それがわたしのお仕事。
ううんでも、にゃーちゃん、ちょっと眠くなってきた。
わたしの世界はわたしの部屋に切り替わる。
薄いピンクの丸い壁からふぃぃと現れた大きな泡にわたしの全部が包まれる。わたしの部屋はピンク色。ピンクは好き。かわいい。
ふかふかで気持ちぃぃ。しあわせ。
おやすみなさい、にゃーちゃん。
とろりとわたしを包む泡はゆわゆわと揺れて気持ち良くて、なんかもう動きたくないなぁ。
それからちょうどいいくらいまで寝て、飽きたらゆっくり目を開けてご飯を食べるんだ。
美味しい。ふぁ。また寝ようかな、でもうーんどうしよう?
わたしの生活はだいたい毎日こんな感じで。
わたしは人なの。毎日生きてる、凄いでしょう?
なんて働き者なのでしょう。にゃーちゃん褒めて。
「なんと勤勉なのでしょう」
うんうん、だよねぇにゃーちゃん。
起きて寝てご飯食べるの。
人ってそういう生き物で。にゃーちゃんはわたしとセットのヒト。
うん? ヒト?
でも、ヒトがなにかはよくしらないや。でもセットだから一緒。にゃーちゃんはわたしの頭の中につながっている。昔の言い方をするとオンラインなヒト。オンライン、線の上?
わたしの線の上にいるヒト? にゃーちゃんは線?
「線ではなく複素数空間です。私は複素数空間上に仮設されたゼーレと同期しています。ですから線というよりは面、面というよりは次元。オンディメンションがより正しいでしょう」
にゃーちゃんの言う言葉はいつも長くてよくわかんない。
でもいいや。ともかく、にゃーちゃんはずっとわたしと一緒なの。生まれたときから。
にゃーちゃん。
にゃーはすぐ近くって意味なんだ。
いつも一緒で近くにいる。
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