2024/02/06 心の武装


 ちくしょう! してやられた!

 今日は問題の社員さんと高校生の後輩ちゃんと三人で店を回すから比較的安全だと思って警戒レベルがMAXではなかった!

 そしたらくだらねぇ言葉の綾みたいなことで説教されちまった!!

 くそが!!


 今回私は、縮こまったりすぐに謝ったりしないように心掛けて、あとはSNSで教わった通り少し間を置いて返事をするようにし、加えて淡々と作業をしながら低いテンションで声を出してみた。

「……そうですね」

 みたいな。

 効果のほどはよく分からなかったが、何だかスルーできたみたいな空気にならなかったわけでもなかった気がする。


 ただし私自身の心が真実このことをスルーできたのではなかったようで、やっぱり怖いというか悲しいというかムカつくというか、何とも形容し難い負の感情が、後になって湧いてきた。


 しかも、明日はその社員さんと二人で仕事をせねばならない。


 うぎゃあーっ!


 もっと心の武装をしなければ!!


 くだらねぇことで突っかかられる以上、こっちがいくら仕事を頑張ったところであまり意味が無さそうだ。あとは舐められない態度を取り続けるしかない。


 穏和であることを美徳と思う私だが、身を守るには信念を曲げねばならぬ時もあるのだ……。

 それに穏和なままでもやり方はあるはず。もっとこう、のらりくらりとできれば、その内なんとか……なって……くれるといいな……。


 ひとまず今日は、自分が「ビビらなかった」ことを褒めよう。よくやった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る