2023/06/20 新人ちゃん


 近頃は仕事が多少は楽だ。

 店が、新しいアルバイトの子をたくさん雇ったので、いつのシフトにも新人ちゃんがいて、ホールの仕事を手伝ってくれるからだ。


 皿洗いの人手がいるだけでもかなり楽になるというのに、新人ちゃんたちは食器を運んで机を綺麗にしたり、メニューのアルコール消毒をしたり、醤油差しの醤油を補充したりと、色んな雑用をやってくれるのだ。しかも慣れさせるためという名目で、注文取りやレジなども気軽に任せられる。

 こっちはいつもより少ない仕事量で、新人ちゃんの動きに気を配って必要とあらばフォローを入れるだけで良い。


 ずっとこのままで良いのに!

 もう二人体制で店を回していたあの頃に戻れる気がしない。


 あとこれは余談だが、私は新人ちゃんに対して極力敬語で接している。新人ちゃんはみんな学生で年が若いので、たまにぽろっとタメ口が出るが、できるときは必ず敬語を使うようにしている。

「醤油の補充をお願いしてもいいですか」

 とか、

「お冷出しをしてもらえますか」

 とかである。

 私はきつい言葉を言いたくないし、「お冷出してきて」のような雑な言い方もしたくない。彼らがミスをした時も、大したことではないという雰囲気で淡々と助ける。

 礼節をもって接するのが、私の理想の先輩像なのだ。


 あ、あと、疲れたので筋トレはサボった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る