2023/05/03 戦闘力
妹の誘いで映画を観に行くことになった。
せっかくの外出なので、可愛いワンピースを着て化粧を施して出掛けたい。
凡そオッサンとは程遠い身なりである。私はオッサンが可愛い格好をしても構わないと思うが、それが大衆に受容されるほど社会のジェンダーレス化は進んでいない。だからこそ女の身でオッサンになりたいなどという荒唐無稽な発想が出るのだ。
私がオッサンの容姿を求めるのは、強そうな見た目になって舐められなくなるためだ。だが女の見た目でも、打つ手が皆無という訳ではない。多少はある。その一つが、お洒落だ。
私はお洒落に強くこだわる方ではないが、お洒落が嫌いでもない。綺麗な格好をすると気分が上がるし、自信も湧くし、自分をちょっぴり好きになれる。それに、まるで自分が強い女になったかのようで、ワクワクする。よって私はお洒落を「武装」と呼び、それによる効果を「戦闘力が上がる」と呼ぶ。
まあ戦闘力を上げたところで舐められる時は舐められるのだが、前向きな気持ちになれることは自衛に繋がる。心を強く持っていれば、小さなことは気にならないし、楽しく過ごせるからだ。
外柔内剛、という言葉が適当だろう。
今すぐ身体的に剛健になるのは困難でも、精神的には──あ、駄目だ、鬱病だった。
ともあれ、僅かにでも強くなれる方法を知っているのだから、活用しない手はない。お洒落も筋トレも、立派な武器なのだ。いや、どちらかというと防具に近いか。
ということで筋トレに入る。
今日も朝から、ジャンプを三十秒と屈伸を十回。相変わらずきつい。慣れていける気が全然しない。
これでノルマは達成──なのだが、少し思うところがあって、帰宅後もジャンプと屈伸をやった。疲れたので、そのまま床にごろんと横たわる。
筋トレはゆるゆるとやる、と宣言したばかりだが、これを一時的に撤回したい。
ちょっと、悠長に構えている場合ではなくなったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます