2 好み
あ。
また来てくれはったん?ありがとう。
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あたしはいつも反応をくれる読者様が反応してくれるとパソコンに向かってこう言ってしまう。幼い頃から壁に向かって話しているような子やったけど、独り言が大きいだけなんだ。霊感とか、ないし。
コメントには早めに返信して、感謝の気持ちを書くようにしてる。
だって読者様って、何千何万とあるネット小説の中から、ここを選んでくれて、読んでくれるんやで?時間って貴重なのにさ、すごいと思わない?
さっきコメントくれた読者様、コメントの最後にありがとうと書いてくれた。なんて素敵な方なんだろう。
ここにいる方はみんな素敵だと思う。きらきら輝いた物語を書けるんだもん。
そりゃ、あたしだって自分の作品には自信がある。だけどあたしが苦手な戦闘シーンとか、感動的なエピソードとか、心に刺さる名言とか、残せるのはやっぱりすごい。
「弥央、母さん行ってくるからね。ご飯は適当に温めて。」
今日はお母さん夜勤。昼間は休みだったから、ごはんを作っていってくれる。食べるころには冷めきってるんだけど、それが、嬉しい。
あたしは口うるさく忘れ物ないかといって、お母さんを送り出す。
ま、いい家庭環境かは知らんけど、あたしは満足してる。
だってギャンブルとか男で夜中に外に出るわけじゃないし、一年後には高校生のいる家庭の母として暮らしていくために稼いでおきたいみたいだから止めはしない。
二人そろって体は強くないから無理は禁物だけど、ね。
あたしは今日も小説を書いていた。既に連載が始まっている、「バディ」という小説だ。
女王クババの仮説。
オカルト界隈ではそれなりに有名な説で、宇宙空間そのものが他の知的生命の実験によって観察された世界なんじゃないかって説。
素人が考えた絵本みたいな内容だけど、実はその知的生命「クババ」は実在していた。トルコのあたりに、キョベクリ・テぺっちゅう遺跡がある。相当古いんだけど、どうやらそこで崇拝されていた女王がクババっていう、飛行物体から降り立った人らしい。人類に知恵を与えたとか与えないとか。
噂程度と言えばそうだけど、あたしは信じてる。
宇宙なんて広いんだから、知的生命体の五つや六ついたっておかしくないよね(なんで五つからはじまるんだろーねー)。
オカルトを信じるか信じないかで論争する人たちいるけど、好きにすればいいじゃないかと思う。
だってAさんが信じてたところで強要さえしなければBさんには害はないやろ?
好みなんだからさ。実際こうして創作に役立つわけだし。
あたしはまた布団を敷いた。
スマホでアラームをかけて、照明を消す。
春音の小説「バディ」、時間あったら見てってや!
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