フルーツポンチ

向日 碧

第1話 過去

私は桃月 褐。よく、ももつきって読まれるんだけど、とうげつ かちって言う。名前の由来は、深い紺色のように、深く広い心で人の事を受け入れてもらいたいかららしい。だけど、そんなのは両親の方が必要だ。


父の晃(あき)は、事あるごとにすぐキレる。八つ当たりだったり、細かいところまで言ってきたり。時には暴力だって。殴り飛ばされるし、部屋に閉じ込められるし、家から本当に放り投げられて、ご近所さんに言われるまで開けてくれなかったり。母の怜(とき)は、友達と遊ぶだけでも、いつまで誰とどこで何をするかまで話さないといけないし、なんだかんだ言って妹の香音(かね)を優先させている。私は、香音が生まれたから、自分で行き来できる幼稚園にしたし、習い事も自分で、髪の毛も小学校入ったら自分、友達と遊ぶのも香音の幼稚園バスのお迎えがあるからなし。入学してから学年が上がるにつれて、成績優秀な地味子という印象はどんどん増えていった。香音が入学して、やっと私が遊べるようになった小5からは遊ぶこともあったんだけれど、みんなもいつも遊ぶグループとかできてて入りにくかった。そんな、微妙な家庭の私です。


私は一応中学受験をした。公立の難しいとこ受けたんだけど、結果は不合格。だけどあんま悲しくなくって、意外とホッとしてたの。元々、頭が良いって周りに思われてて、それで流されたのもあるし。なにより、親がここはどうってめっちゃすすめてきたから選んだだけだったから。あんま深い思いはなかった。まぁ、別で受かった私立の中学に通うことになった。家も近かったし良いっかなぁって



これが、私のこれまでの人生を覆す、さいっこうの友達との、「フルーツポンチ」のような世界への第一歩でした!!

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