~狂い、舞い、咲け~
「馬鹿も休み休み言え」という言葉がある。
クソ真面目な私と同僚に関しては、持ち前の生真面目さゆえに放っておくと仕事にのめりこんでいくので「真面目は休み休み言え」だな、と思うことがある。
(本来の意味はさておき……)
もともと二人とも議論が好きという共通点があるが、この前仕事のことについて語り合っていたところ、ついつい日をまたぐまでの長電話になってしまった。
そうなると、「いかんいかん、また時給が発生しない労働をしてしまった……」と二人で落ち込む。
そんな我々のようなクソ真面目野郎は、時々息抜きを意識的に挟むことにしている。
それは「狂い」だ。
ここでいう「狂い」とは頭を空っぽにして、己の中に沸き起こる感情、衝動のままに立ち振る舞うことを言う。
我々は、理性が働きすぎる。もっと己を解放するべきなのだ。
以前家に帰ってから一人もんもんと仕事のことについて考え始め、「いかん!」と思った私は、一人「ソーラン節」を踊ることにした。
ソーラン節……、自然豊かな北海道の荒波にもまれて生まれた力強い民謡。
振り付けは「南中ソーラン」を参考にさせていただく。稚内の中学校で考案された振り付けらしい。
幼い頃結婚式の余興でも踊ったソーラン節。北国の民の血が騒ぐぜ!
ちなみに振り付けを思い出そうと、学生たちが踊っている動画を見たら、その懸命さ、そして舞としてのレベルの高さに感動して涙が出た。最後の「ありがとうございました!」の一声でさらに泣いた。命の輝きでぃ……。
別バージョンで幼稚園の子たちが精いっぱい大きな掛け声を出して踊る動画を見たら、画面がにじんで見えなくなった。
まんずまんず、なしてこったにめんこいど……。涙出はってまったじゃ~!
(訳:本当に、どうしてこんなにかわいいのか。涙が出てしまった)
気を取り直して……。
いざ、舞!
※ちなみに賃貸に住んでいるため、周囲に騒音等の迷惑がないよう、最小限の動き、音に配慮する。
あ、どっこいしょーどっこいしょー!
あ、ソーラン、ソーラン!
あ、どっこいしょーどっこいしょー!
あ、ソーラン、ソーラン!
なかなかカロリーを消費する振り付けだ……。
立ってしゃがんでを繰り返すと、デスクワークでこわばった節々が悲鳴を上げる。
しかし、ここで立ち止まっては「狂い」と言えない!
余計なことを考えるな!!
一心不乱に、この身が尽きようとも‼
舞うことをやめてはならぬ―――――!!
追記
ソーラン節がハードすぎるという方は、地元の盆踊りとかもいいよ。
あとはEarth, Wind & Fireの『Boogie Wonderland』とか『September』とかノリノリの音楽かけて身体ゆらゆらさせんのも楽しいよ。
とにかく舞い踊れ、人間たちよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます