シレネとライラック
ぴりか
第1話
「よう、
ガヤガヤと騒がしい講義室。必修科目の講義なだけあって学生数も多く、百人近く入る大部屋だというのに殆ど座席が埋まっている。
「
「
美季は遠田
その為、二人を表立って狙う人というのはいない。
(何回目の惚気だ……)
表立って、という言葉を付けたのは、裏でひそかに片想いをしている人間がいるからである。
出会った時から敵わない恋。それだというのに
「これレジュメ」
そう言ってA4用紙を渡せば、人懐っこい笑みを遠田は浮かべる。
「さーんきゅ」
幸せそうな遠田の顔を見れるだけ幸せ、と無理に思い込んで生きていても、根っこの焦燥感やもの悲しさ、自分への呆れはそう易々とは取っ払えなかった。
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